森川俊徳

森川俊徳（もりかわ としのり）は、江戸時代後期の下総生実藩（現在の千葉県千葉市）の第11代藩主です。

天保15年（1844年）、伊勢亀山藩（現在の三重県亀山市）の第9代藩主である石川総紀（いしかわ ふさのり）の次男として誕生しました。幼名は不明です。安政5年（1858年）、生実藩の第10代藩主であった森川俊位（もりかわ としなり）が亡くなったため、その跡を継ぐ養子として迎えられ、15歳で生実藩の第11代藩主となりました。

同年11月23日には、従五位下・出羽守（じゅごいげ・でわのかみ）に叙位・任官されています。これは、朝廷から位階と官職を授けられたことを意味し、藩主としての正式な地位を確立したことを示しています。

万延元年（1860年）4月2日には、日光祭祀奉行（にっこうさいしぶぎょう）に任命されました。日光祭祀奉行は、日光東照宮を中心とする日光山の祭祀を執り行う役職で、幕府の重要な役職の一つでした。このことから、俊徳が藩主としてだけでなく、幕府からも一定の信頼を得ていたことがうかがえます。

しかし、文久2年（1862年）10月24日、森川俊徳は19歳という若さで亡くなりました。短い藩主としての在任期間でしたが、その間には日光祭祀奉行を務めるなど、重要な役割を担っていました。

俊徳には実子がいなかったため、跡目は末期養子として迎えられた森川俊方（もりかわ としかた）が継ぎました。俊方は、播磨国林田藩（現在の兵庫県姫路市）の第10代藩主である酒井忠方（さかい ただかた）の六男で、俊徳の死後、生実藩の第12代藩主となりました。

系譜

実父：石川総紀（伊勢亀山藩第9代藩主）
養父：森川俊位（下総生実藩第10代藩主）
* 養子：森川俊方（酒井忠方の六男、下総生実藩第12代藩主）

森川俊徳は、若くして藩主となり、重要な役職も務めましたが、その生涯は短命でした。しかし、その存在は、幕末の激動期における藩主の一つの姿を示していると言えるでしょう。

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