森幸男

森幸男（もり ゆきお、1933年6月16日 - ）は、日本の厚生・環境官僚として、そのキャリアを通じて多岐にわたる要職を歴任し、日本の行政に大きく貢献しました。

富山大学経済学部を卒業後、1956年に厚生省に入省。同期には下村健（元社会保険庁長官）がいます。厚生省では、薬務局経済課長（1974年）、医務局総務課長（1977年）、大臣官房人事課長（1980年）など、重要なポストを歴任しました。これらの職務を通じて、医療や福祉、人事など、厚生行政の幅広い分野でその手腕を発揮しました。

1982年には内閣官房総務課長兼内閣参事官に就任し、内閣の中枢で政策立案に携わりました。その後、1986年に薬務局長に就任。薬事行政のトップとして、医薬品の安全性確保や薬害対策などに尽力しました。

1987年には環境庁企画調整局長に転じ、環境行政の分野でもその能力を発揮。地球温暖化対策や大気汚染防止など、環境問題の解決に貢献しました。1988年には環境事務次官に就任し、環境行政の最高責任者として、日本の環境政策を推進しました。

1990年に社会福祉・医療事業団副理事長に就任し、社会福祉や医療の分野での貢献を続けました。1994年には宮内庁東宮大夫、1996年には宮内庁次長に就任し、皇室を支える役割も担いました。

2001年には財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センター理事、2003年には同センター理事長に就任し、薬物乱用防止活動に尽力しました。薬物の危険性や依存性の恐ろしさを啓発し、青少年の健全な育成に貢献しました。

森幸男は、厚生・環境官僚として、日本の社会福祉、医療、環境、そして薬物乱用防止といった幅広い分野で重要な役割を果たしました。その功績は、日本の行政史に深く刻まれています。

関連情報

築島尚「厚生省におけるキャリア官僚の人事制度」『岡山大学法学会雑誌』第61巻第2号、岡山大学法学会、2011年12月、358-304頁、ISSN 0386-3050、NAID 40019189136。 p.32 に経歴が記載されています。
[1] 参照

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