森忠興

森忠興（もり ただおき）は、宝暦2年（1752年）に生まれ、播磨国赤穂藩の第6代藩主を務めた人物です。赤穂藩森家としては12代目に当たります。

略歴

宝暦2年1月3日、先代藩主である森忠洪の長男として生を受けました。明和5年（1768年）には、第10代将軍・徳川家治に拝謁し、同年12月18日には従五位下・山城守に叙位・任官されました。翌明和6年（1769年）7月23日、父・忠洪の隠居に伴い家督を継承し、藩主となりました。

藩主としての忠興は、父の路線を継承し、特に文学の発展に尽力しました。しかし、明和・安永期にかけて発生した飢饉により、赤穂藩の主要な産業であった塩田が甚大な被害を受け、藩財政は深刻な状況に陥りました。

安永9年（1780年）8月6日、忠興は弟であり養子でもあった忠賛に家督を譲り、自身は隠居しました。天明元年（1781年）には出雲守に遷任しています。しかし、天明4年（1784年）1月30日（または1月29日）に33歳という若さで死去しました。

系譜

父：森忠洪（1728-1776）
母：井上正之の娘
正室：松平武元の娘

子女

女子：加藤明陳継室 - のち伊東長寛継室
女子：市橋長喬室

養子

男子：森忠賛（1758-1837） - 森忠洪の三男

森忠興は、藩主として文学を奨励しましたが、飢饉による経済的な困難に直面し、若くして藩主の座を退くこととなりました。短い生涯ではありましたが、その時代における藩政の一端を担った人物として知られています。

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