伊東長寛

伊東長寛（いとう ながとも）は、江戸時代後期に備中国岡田藩を治めた第8代藩主です。安永7年（1778年）に父である第7代藩主・伊東長詮の死去に伴い家督を継ぎました。

長寛は天明2年（1782年）に将軍・徳川家治に拝謁し、天明3年（1783年）には従五位下播磨守に叙任されました。父・長詮の才能を受け継いだと評され、重臣である浦池九淵を重用し、藩政改革を積極的に推し進めました。

その結果、岡田藩の財政は大きく再建され、文化面でも大きな功績を残しました。寛政6年（1794年）には演武場である教学館を創設し、藩士の武芸奨励に貢献。さらに寛政7年（1795年）には藩校である敬学館を創設し、藩士の子弟の教育水準向上に尽力しました。これらの施策により、岡田藩は学問と武芸を奨励する藩として知られるようになりました。

長寛は後継者として、当初は五男の長禎を指名していましたが早世したため、後に十一男の長之を世子としました。しかし、長之は病弱であったため廃嫡し、最終的には長禎の長男である長裕を世子としました。

嘉永3年（1850年）6月11日に87歳で死去。その跡は世子であった長裕が継ぎました。長寛の治世は、岡田藩の財政再建と文化振興に大きく貢献した時代として評価されています。

系譜
父：伊東長詮（1736-1778）
母：五島盛道の娘
正室：五島盛運の養女 - 五島盛義の娘
継室：森忠興の娘

子女
長男：伊東長貴
五男：伊東長禎（1794-1830）
六男？：天野富之
十一男：伊東長之（1804-1864）
十二男？：伊東長道
十五男？：伊東長生
十六男？：伊東長世
十七男？：伊東高明

長寛は、藩政改革を成功させ、文化振興に貢献した名君として、その名を歴史に刻んでいます。

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