森戸村

森戸村（もりとむら）

森戸村は、かつて茨城県猿島郡に存在した村です。現在の茨城県境町の南部に位置し、利根川が村の南を流れていました。この地は、豊かな自然に恵まれ、農業が盛んな地域でした。

歴史

1889年（明治22年）4月1日、町村制の施行により、伏木村、一ノ谷村、百戸村、若林村が合併し、猿島郡森戸村が誕生しました。この合併により、新たな村としての歴史が始まりました。

1916年（大正5年）には、森戸村伏木に茨城県で最初の小作組合が結成され、農民の権利意識が高まる動きが見られました。この組合の結成は、地域社会における重要な出来事でした。

1947年（昭和22年）9月16日、カスリーン台風による豪雨により、中川村の利根川堤防が決壊し、森戸村も大きな被害を受けました。村の大部分が浸水し、住民は困難な状況に置かれました。この水害は、村の歴史における大きな転換点となりました。

1955年（昭和30年）3月16日、境町、森戸村、静村、長田村、猿島村が合併し、新たに境町が発足しました。この合併により、森戸村は歴史の舞台から姿を消し、新しい町の一部となりました。

行政

森戸村の行政を担ったのは、村長、助役、収入役です。以下に、歴代の村長、助役、収入役の名前を記します。

村長
長野泰一郎
倉持伝次郎
田村徳蔵
長野泰一郎
佐怒賀政一
長野泰一郎
田村徳蔵
長野泰一郎
倉持伴一郎
佐怒賀修一郎
佐怒賀亀一郎
中村和七

助役
染谷武助

収入役
長野忠太郎

経済

森戸村の主な産業は農業でした。米、麦、葉茶、繭などが生産され、地域経済を支えていました。

『大日本篤農家名鑑』によれば、森戸村の篤農家として、「長野、田村、大野、中村」などの名前が挙げられています。これらの人々は、地域の農業発展に大きく貢献しました。

人口

1930年に刊行された『市町村治績録 改訂第2版』によると、森戸村の戸数は700戸、人口は4520人でした。この数字から、当時の森戸村の規模と活気がうかがえます。

まとめ

森戸村は、その歴史の中で、幾多の変遷を経験しました。町村合併によりその名は消えましたが、かつてこの地に存在した村の歴史と文化は、現在も人々の記憶の中に生き続けています。

参考文献

大日本篤農家名鑑編纂所編『大日本篤農家名鑑』大日本篤農家名鑑編纂所、1910年。
日本自治協会編『市町村治績録 改訂第2版』日本自治協会、1930年。

関連項目

* 茨城県の廃止市町村一覧

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