森林警備隊 (イタリア)

森林警備隊について

森林警備隊（イタリア語：Corpo forestale dello Stato、略称：CFS）は、イタリアのかつて存在した警察機関の一つです。イタリア国内における自然資源や環境保護を主な任務としており、その歴史は1822年に遡ります。この年、サルデーニャ王国のカルロ・フェリーチェ国王の指示により、森林の保護と監視を目的とした組織が『Amministrazione forestale per la custodia e la vigilanza dei boschi』として創設されました。しかし、時は流れ、2016年12月31日に森林警備隊は解隊され、全ての隊員はイタリアの軍に転籍、カラビニエリ隷下の森林・環境・農業保護隊（Comando unità per la tutela forestale, ambientale e agroalimentare）に吸収されました。

任務と活動

森林警備隊の主な任務は、イタリアの自然環境と生態系を保護することでした。彼らは特に国立公園や国有林の保護を重要視し、密猟の取り締まりや環境汚染の調査、さらには絶滅危惧種の保護にも力を入れていました。また、絶滅危惧種保護法の執行や、山火事の予防・消火活動も大切な業務の一部でした。これらの任務を果たすため、森林警備隊は全国に15の地域司令部を設置し、22機の消防用航空機を運用していました。

さらに、森林警備隊はイタリアの山岳地域における国民保護や災害対策においても重要な役割を担っていました。その活動の一環として、山火事や自然災害の際には緊急通報用の電話番号1515を通じて市民からの通報を受け付けていました。

特殊な責任

森林警備隊は特に、ワシントン条約（CITES）に関連する活動の管理を行う責任も負っていました。このため、国際的な野生動植物の保護に関与することも大変重要でした。彼らの任務により、絶滅の危機にある動植物の保護にも繋がっていました。

組織のイメージ

森林警備隊の車両は特有のデザインが施されており、緑色の車体に白い帯が描かれ、側面には「Corpo Forestale dello Stato」との組織名が明記されていました。また、車両のナンバープレートには赤文字で「CFS」という文字が表示され、公共の場でもその存在が認識されやすいよう配慮されていました。

結論

森林警備隊は、イタリアにおける自然の保護と監視の重要な役割を果たしていました。その任務は多岐にわたり、国民の安全や環境保護に寄与したことは否定できません。解隊された今でも、その影響はイタリアの自然保護活動に色濃く残っているでしょう。

もう一度検索