森田欽二

森田 欽二（もりた きんじ）

森田欽二は、1917年12月11日に福岡県甘木市（現在の朝倉市）で生まれた日本の政治家であり教育者です。彼の政治キャリアは、福岡県議会から始まり、最終的に衆議院議員として活躍しました。森田は福岡県立朝倉中学校を卒業後、福岡県福岡師範学校で学び、教員としてのキャリアをスタートさせました。彼は甘木市立石小学校で教鞭を執り、その後福岡県視学委員を務めました。

政治活動の開始

1947年に福岡県議会議員に初当選してから、森田は合計で6期にわたり県議会に選出されました。彼は1967年から1969年までの期間、県議会議長に就任し、地域の教育や農業、公共政策に携わりました。県議時代には、教職に対する深い理解をもって、教職員の待遇改善や辺地の学校教育の充実に向けた施策を推進しました。しかし、彼は一方で日本教職員組合との対立もあり、教育現場における複雑な関係を築いていました。

衆議院への進出

森田は1972年に県議を辞職し、1976年に第34回衆議院議員総選挙に福岡1区から自由民主党の公認で立候補しましたが、初回は落選。続く選挙でついに初当選を果たします。衆議院では農林水産委員として活動し、農林行政における深い見識と実行力により注目を集めました。また、彼は農業政策の推進者としても評価され、特に災害時の対応においてその能力が試されました。

災害対策と功績

森田は福岡県内において、大規模な水事業「両筑平野用水事業」の立案者の一人でありました。このプロジェクトの進行は、地方経済と農業において重要な意味を持ちました。彼の指導の下、江川ダムと寺内ダムが完成し、1978年の福岡市の異常渇水時には、両筑平野の農民を説得してダムからの水の供給を実現しました。この対応は多くの人々の生活を支えるものであり、彼の政治的な手腕を際立たせるものでした。

最期と評価

1979年2月の半ばには体調不良を訴え、入院治療を受けていましたが、同年の4月13日に肝硬変によって福岡市の福岡大学病院で61歳の若さで亡くなりました。その死後、特旨をもって位記を追賜され、正五位勲三等に叙せられ、瑞宝章が追贈されました。森田の追悼演説は、5月16日に衆議院で田中昭二によって行われました。

家族

森田には、朝倉市長を2期務めた息子、森田俊介がいるなど、家族も地域に貢献してきました。彼の業績は今も地域の人々に語り継がれています。

参考文献

• - 『福岡県百科事典』下巻、西日本新聞社、1982年

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