森脇基恭

森脇基恭：日本の自動車技術者とレーシングカーデザイナー

森脇基恭は1946年4月27日、東京都に生まれました。彼は成蹊大学工学部を1969年に卒業後、ホンダに入社し、本田技術研究所でのキャリアをスタートさせました。ホンダでは、後に会社の舵取りをすることになる福井威夫やF1エンジニアの後藤治と同期でした。

1973年にホンダを離れ、イギリスへ渡った森脇は、GRD（Group Racing Development）社に参加し、日本人として初のチーフデザイナーに就任します。その際、同社で開発したF3マシンはヨーロッパ各地で成功を収めます。また、日本向けに設計されたGRD・S74は1977年と1979年のチャンピオンとなります。

1976年、森脇は帰国し、ホンダの台湾子会社で開発部長を務める傍ら、F1日本グランプリの主催者事務局次長としても活動を始めます。この時期、TBSによるグランプリ中継にもピットレポーターとして出演しました。1977年の日本グランプリでは、興行権を持つバーニー・エクレストンとの契約に当たり、実績を積むと同時にエクレストンから秘書の誘いを受けるなど、その交渉力が注目されました。

1978年にノバ・エンジニアリングに入社した森脇は、技術部長として全日本F2選手権や全日本耐久選手権に参戦しました。1987年からはフジテレビによるF1中継が始まり、彼もまた解説者として数々のレースに登場します。特に、2000年代に入った後も彼は解説者として幅広く活躍し続けました。

途中からは、若手ドライバーの育成にも関わり、森脇のサポートを受けたドライバーには、ステファン・ヨハンソンやロベルト・モレノ、ハインツ＝ハラルド・フレンツェンなどがいます。中には後にF1ドライバーとして成功を収める者もおり、彼の影響は多大です。

また、森脇は公言しているF1レーサーの中でセバスチャン・ベッテルの大ファンであり、その行動理念を尊重しています。その影響が色濃く表れていると言えるでしょう。

森脇基恭は、レースをテーマにした漫画『Capeta』にも登場し、彼の名前をもじったキャラクターが存在するなど、幅広い影響を及ぼしています。

著書

• - F1グランプリ（1987年、新潮文庫）
• - 世界一の考え方（2014年、三栄書房）

出演番組

• - F1グランプリ（フジテレビ・フジテレビNEXT）
• - F1GPニュース（フジテレビTWO）
• - フォーミュラカー基礎講座（フジテレビ721）

森脇基恭のキャリアは、技術者としての知識と実践に加え、交渉術や放送の場においてもその瞬発力が光っています。彼の歩みは、自動車業界における一つの模範であり、今後の世代にも影響を与えることでしょう。

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