森雅守

森雅守の生涯

森雅守（1858年4月4日 - 1894年5月20日）は、日本の陸軍における著名な軍人であり、陸士旧3期の一員として知られています。彼は教育と能力に秀でた人物であり、上原勇作元帥や楠瀬幸彦中将と共に「陸士旧3期の三羽烏」と称されました。しかし、彼の人生は短く、イタリアでの留学中に悲劇的な最期を迎えました。

幼少期と教育

森は会津藩士の森裕衛の長男として、若松で生まれました。幼少の頃から学ぶことに優れ、斗南時代には地元の知藩事である松平容大から嘉賞を受けるなど、その才能が早くから認められました。後に、柴五郎（後の陸軍大将）と共に青森県庁の給仕として働きながら、上京の機会を伺いました。ついに東京に移り、陸軍幼年学校の入学試験に合格しました。

陸軍でのキャリア

1879年、森は陸軍砲兵少尉に任官し、翌年には陸士旧3期を卒業しました。彼のキャリアの中で、楠瀬が砲兵科の首席、上原が工兵科の首席としてその優秀さを示す中、森も砲兵科から優秀な結果で卒業しました。1881年、彼は楠瀬や上原と共にフランスへ留学し、フランス陸軍砲兵連隊で戦術を学ぶこととなります。

4年後、森は帰国し、その後、砲兵射的学校の教官および教導中隊長に就任しました。1890年には陸軍砲兵少佐に昇進し、砲兵第5連隊の大隊長として活躍しました。さらに、東京砲兵工廠での検査官職を経て、優秀な指導者としての地位を確立していきました。

家族と結婚

1892年、森は陸軍少将別役成義の娘である幸重と結婚しました。この結婚は、彼の人生において重要な出来事の一つであり、その翌年、イタリアに留学することになります。

悲劇的な最期

イタリアでの留学中、森は観測器や火薬に関する研究に従事しましたが、1893年に失踪。彼はエルバ島のホテルで軍服姿で自殺しているのが発見されました。彼の自殺の理由は「発狂」とされ、長い間彼を悩ませていた問題があったと考えられています。

兄弟たち

森には三人の弟がいました。彼の死後、弟たちは上原の支援を受けて生活を支えられました。次弟の雅治は内務省の大書記官の養子となりましたが、在学中に病気で亡くなりました。三弟の左武は日露戦争で戦死し、末弟の梧六は陸軍砲兵大佐として青島攻略戦に派遣されました。彼の後、予備役となった梧六は第二高等学校の図書主任を務めました。

森雅守の生涯は短いものでしたが、彼の優れた能力と業績は今なお記憶されています。命の終わり方が象徴するように、彼の人生には多くの困難と葛藤があったことが感じられます。

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