棲真寺

棲真寺（せいしんじ）

棲真寺は、広島県三原市に位置する臨済宗妙心寺派の寺院であり、応海山と号します。この寺院は、鎌倉時代初期に源頼朝の娘である天窓妙仏の菩提を弔うために創建されたと伝えられています。長い歴史の中で、棲真寺は地域の信仰の中心として、また貴重な文化財を伝える場所として重要な役割を果たしてきました。

歴史

寺伝によれば、棲真寺は承久元年（1219年）に、源頼朝の娘であり土肥（小早川）遠平の妻であった天窓妙仏の菩提を弔うために創建されました。天窓妙仏は若くして亡くなったとされ、その死を悼んだ父、源頼朝が寺を建立したと伝えられています。

江戸時代には、棲真寺は火災に見舞われ、多くの堂宇が焼失しました。しかし、その後再建され、再び地域の信仰の拠点としての役割を担うこととなります。明治時代の廃仏毀釈の際には、一時廃寺となりましたが、地元の人々の尽力により再興を果たしました。

文化財

棲真寺は、数々の貴重な文化財を所蔵しています。これらの文化財は、寺院の歴史と文化的重要性を示すものであり、訪れる人々に深い感銘を与えます。

広島県指定重要文化財

木造二十八部衆立像 13体: これらの像は、仏教における守護神である二十八部衆を表しており、精巧な彫刻と豊かな色彩が特徴です。13体もの像が একসাথে揃って現存していることは非常に珍しく、美術的にも歴史的にも高い価値があります。

三原市指定重要文化財

木造千手大悲観音菩薩立像: 千手観音菩薩は、観音菩薩が人々を救済するために千の手を持つ姿で表されたものです。この像は、その優美な姿と繊細な彫刻で見る人々を魅了します。

その他の見どころ

棲真寺の境内には、その他にも見どころがあります。

定ヶ原石塔: 寺から2キロメートル以上離れた場所に位置する宝篋印塔で、広島県史跡に指定されています。この石塔は、天窓妙仏の母であり棲真寺に住んでいた寿庵の墓であると伝えられています。静かな場所に佇む石塔は、歴史の重みを感じさせます。

棲真寺は、美しい自然に囲まれた静かな場所に位置しており、訪れる人々に安らぎと癒しを与えてくれます。歴史と文化に触れ、心を静めるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

参考文献

広島県歴史散歩研究会 編『広島県の歴史散歩』山川出版社、1992年4月30日。ISBN 978-4-634-29340-3。 141、142頁。

関連項目

広島新四国八十八ヶ所霊場

外部リンク

棲眞寺・棲眞寺公園 - 広島県観光ホームページ
応海山棲真寺（せいしんじ） - 三原市
三原市市指定文化財一覧表 - 三原市教育委員会生涯学習課

もう一度検索