植村家利

植村家利（うえむら いえとし）は、江戸時代中期の大和高取藩の第8代藩主です。

宝暦9年（1759年）9月25日に、第6代藩主・植村家道の四男として高取で生まれました。当時の藩主であった兄の植村家久が安永7年（1778年）12月に亡くなったため、その跡を継ぐことになり、安永8年（1779年）に家督を相続して第8代藩主となりました。なお、家利は家久の養子という形で藩主となっています。

藩主となった家利は、天明4年（1784年）5月15日に幕府の役職である奏者番に任じられました。しかし、その翌年の天明5年（1785年）8月24日に死去しました。享年27という若さでした。

家利には実子がなかったため、兄の家長が養子となって跡を継ぎました。この家督相続の背景には、家利の死に関する一説が影響しているとされています。

その一説とは、家利は遊女と入水自殺を遂げたというものです。もしこの説が事実であれば、藩の体面を保つために、江戸屋敷の留守居役がこの事実を隠蔽し、病死として届け出た可能性があります。そのため、急遽、兄の家長が養子として迎えられ、藩主の座を継ぐことになったと考えられています。

真実は定かではありませんが、植村家利の突然の死は、高取藩に少なからぬ影響を与えたことは想像に難くありません。短い期間ではありましたが、藩主として、また奏者番として、その存在は歴史に名を刻んでいます。

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