植村真理

植村 真理

将棋の元女流棋士、植村 真理（うえむら まり）は、1969年3月16日に香川県高松市で生まれました。最高段位は女流三段（2003年昇段）。現役時代の女流棋士番号は11（2011年3月以前は24）でした。香川県明善高等学校（現在の英明高等学校）を卒業しており、その将棋人生は高校時代に大きな転機を迎えます。

プロへの道

植村女流棋士が将棋のプロの世界を志すきっかけとなったのは、1985年に開催された第21回全国高等学校将棋選手権でした。この大会の女子個人の部で優勝という輝かしい成績を収めたことが、プロ棋士への道を真剣に考える契機となりました。この優勝を経て、彼女は将棋のさらなる高みを目指すこととなります。

棋歴と昇段

高校選手権優勝後の1987年に女流育成会へ入会し、正式にプロ棋士への道を歩み始めました。翌1988年には女流3級、1989年に女流1級と順調に昇級・昇段を果たします。1990年には女流初段に昇段し、さらに1991年には女流二段へと昇段しました。その後も長く現役を続け、2003年5月21日には女流三段へと昇段しました。これは彼女の棋士キャリアにおける最高の段位となりました。

タイトルへの挑戦

植村女流三段のキャリアにおける最も注目すべき実績の一つに、1990年度に行われた第2期女流王位戦でのタイトル挑戦があります。当時の女流王位であった中井広恵女流王位に対し、挑戦者として五番勝負の舞台に立ちました。当時、関西に所属する女流棋士が主要タイトルの挑戦者となる例は非常に珍しく、その点でも彼女の挑戦は大きな注目を集めました。しかし、結果は中井女流王位の強さが勝り、0勝3敗のストレートで敗退。残念ながらタイトル奪取はなりませんでした。

女流棋士会との軋轢と復帰

植村女流三段の棋士人生には、一時期、女流棋士会との間に生じた軋轢という特異なエピソードがあります。2005年頃から、女流棋士会の総会や懇親会への出席を控えるなど、会の活動に対する非協力的な態度が問題視されるようになりました。この状況が続いた結果、2006年1月5日付で、同じく女流棋士であった林まゆみ氏とともに、女流棋士会からの脱会処分を受けることになりました。この処分後も日本将棋連盟所属の棋士として対局を続けることはできましたが、会からの脱会という状況は解消されませんでした。しかし、2007年12月になり、女流棋士会の体制が刷新されたことを機に、植村女流三段は会との和解に至り、無事に女流棋士会への復帰を果たしました。この一連の出来事は、彼女の棋士活動における複雑な一面として語られることがあります。

引退

長きにわたる現役生活を経て、植村真理女流三段は2015年3月31日、日本将棋連盟が定める引退女流棋士規定に基づき、惜しまれつつも現役を引退しました。生涯成績は171勝231敗でした。高校選手権優勝から始まり、女流王位戦での挑戦、そして女流棋士会との特別な経緯を経て引退するまで、彼女の棋士人生は多くの出来事を経て幕を閉じました。

もう一度検索