植物誌 (イルカのアルバム)

1977年4月に発表されたイルカの3枚目のオリジナルアルバム『植物誌』は、彼女のキャリアにおいて重要な作品の一つです。本作は、オリコンチャートで初めて1位を獲得し、イルカのアルバムとしては最高のセールスを記録しました。

収録曲は、SIDE Aが「しあわせ」「私の庭から」「心はプラス」「あしたの君へ」「植物誌」「タンチョウの詩」、SIDE Bが「気ばらしのドライブ」「雨の物語」「孤独な歌人」「バラのお嬢さん」「スカーフ」「小さな子守唄」という構成です。全12曲中、「雨の物語」（作詞・作曲：伊勢正三）と「バラのお嬢さん」（作曲：西岡たかし）を除くすべての楽曲をイルカ自身が作詞・作曲しています。

アルバムのレコーディングは、1977年2月3日から16日にかけて、アメリカのロサンゼルスで行われました。木田高介と石川鷹彦が編曲を手掛け、楽曲に豊かな彩りを添えています。

参加ミュージシャンも非常に豪華です。イルカ自身のボーカルとギターに加え、キーボードにCraig Doerge、ドラムスにRussel KunkellとMike Baird、ベースにLeland SklarとChuck Domanica、ギターにFred Tackett、David Cohen、石川鷹彦、フィドル、スライドギター、マンドリンにDavid Lindley、ラテンパーカッションにSteve Forman、ハープにArthur Gerst、サックス、ビブラフォン、ハモンドオルガン、フルートに木田高介といった、錚々たるメンバーが集結しています。

『植物誌』は、1991年にCD化され、1994年にはCD選書として再リリースされました。イルカの音楽世界を深く堪能できる、必聴の一枚と言えるでしょう。彼女の繊細な歌声と、バラエティに富んだ楽曲群が、聴く人の心を優しく包み込みます。自然や生命に対する温かい眼差しが感じられる歌詞も魅力で、何度聴いても新たな発見がある作品です。発売から年月を経た今もなお、多くの音楽ファンに愛され続けています。

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