植野貴也

植野貴也：華麗なる騎手人生とマジシャンの才能

1975年7月1日生まれの植野貴也氏は、日本中央競馬会（JRA）栗東トレーニングセンターに所属していた元騎手です。現在は調教助手として活躍しています。1994年、競馬学校10期生としてデビュー。同期には、後に著名な騎手となる幸英明氏、渡辺薫彦氏、吉田豊氏らが名を連ねています。

デビュー初日、3月5日のゆきやなぎ賞でバンブーユージンに騎乗し、見事初勝利を飾りました。これは特別戦での勝利であり、3戦目での特別競走勝利という快挙は、JRAの新記録として当時話題となりました（後に三浦皇成氏も同記録を達成しています）。

デビューイヤーに15勝を挙げた植野氏は、その後も5年連続で2桁勝利数を記録するなど、安定した活躍を見せました。1998年には、GI競走初騎乗を果たすなど、多くの平地重賞レースにも騎乗経験がありますが、その後は障害競走に軸足を移していきます。

平地競走での騎乗数が減少していく中、1998年から障害競走にも挑戦を始め、徐々にその才能を開花させていきました。1999年7月18日、小倉サマージャンプでロングイカロスに騎乗し、重賞初勝利を達成するとともに、JRA通算100勝の大台に乗りました。

2011年以降は平地競走の免許を更新せず、障害競走に特化。2009年には阪神ジャンプステークスでマヤノスターダムに騎乗し、10年ぶりの重賞2勝目を挙げ、2012年には京都ジャンプステークスでマサノブルースに騎乗し、3勝目を獲得しました。2016年にはJRA通算200勝を達成し、同年には新潟ジャンプステークスでタイセイドリームに騎乗し重賞4勝目を挙げました。

数々の名馬に騎乗し、華麗な騎乗で観客を魅了してきた植野氏ですが、その才能は競馬の世界だけにとどまりません。プライベートではマジックを趣味としており、元騎手の藤田伸二氏からは「凄腕マジシャン」と評されるほどの腕前を持つと言われています。

2022年12月31日、長年にわたる騎手生活に幕を閉じ、中竹和也厩舎の調教助手として新たなキャリアをスタートさせました。

主な騎乗馬

ジムカーナ (1998年 若駒ステークス)
ロングイカロス (1999年 小倉サマージャンプ)
マヤノスターダム (2009年 阪神ジャンプステークス)
ショウリュウケン (2009年 三木ホースランドJS)
ワンダーシンゲキ (障害オープン3勝)
マサノブルース (2012年 京都ジャンプステークス)
タイセイドリーム (2016年 新潟ジャンプステークス)
マイネルフィエスタ (2017年 京都ジャンプステークス)
* シゲルヒノクニ (2019年 京都ハイジャンプ)

植野貴也氏の騎手人生は、平地競走から障害競走への転向、そして重賞勝利の数々、そしてマジックという隠れた才能と、多くのドラマチックな出来事によって彩られていました。調教助手として第二の人生を歩む植野氏の今後の活躍にも期待がかかります。

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