楊宗

楊宗の生涯と業績

楊宗（よう そう）は、中国の三国時代から西晋時代にかけて活躍した政治家であり、蜀漢と西晋で重要な役割を果たしました。彼の出身地は益州巴郡で、彼は蜀漢末期には尚書郎として仕官していました。

蜀漢末期の動乱

楊宗は、蜀漢が魏に滅ぼされる際、永安を守っていた羅憲の参軍として重要な役割を果たしました。蜀漢が滅びた後、五日間の喪に服し、国を失った悲しみを示しました。景元5年（264年）、呉の将軍陸抗をはじめとする連合軍が羅憲を包囲した際、楊宗は彼を支え、防衛に努めました。羅憲は、呉が蜀漢の滅亡に対して無関心であることを嘆き、降伏を拒否して永安要塞を守り抜きました。

合従の計

包囲中に盛曼が提案した「合従の計」に対して、楊宗は堂々と「城中の土を一握も取れぬのに、なぜ城門などと申すのか？」と返しました。この言葉は、困難な状況においても自らの信念を曲げない姿勢を示しています。やがて、敵軍の攻撃が激化すると、羅憲は楊宗に魏の陳騫に援軍を要請する任務を託しました。この際、楊宗は無事に包囲を突破し、見事に援軍を求めることに成功しました。

武陵太守としての活躍

その後、楊宗は武陵太守の羅憲の元で安蛮護軍として活動しました。泰始2年（266年）、羅憲が都に召還されると、呉の武陵太守である孫恢が南浦に攻め入りましたが、楊宗はこれに立ち向かい、見事に呉軍を敗走させました。この戦功により、羅憲は楊宗を後任の武陵太守として推薦しました。

榮達と文立の評価

楊宗が兵力を整え、呉領の武陵蛮を従わせて三県とその民を獲得したことは、彼の軍事的才能を示すものです。その後、司馬炎が巴東の監軍を、楊宗と弋陽太守の唐彬のいずれかを任命しようとした際、側近の文立に両者の能力を尋ねました。文立は、どちらも優れた人材であるが、唐彬は金銭欲が強く、楊宗は酒好きであると答えました。結局、彼は酒好きの性格から採用を見送られることとなりました。

このように楊宗は、政治家としての面だけでなく、軍人としても蜀漢のために尽力した人物として記憶されています。その生涯には、数々の試練と成功があり、彼の業績は後世に語り継がれることとなりました。

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