楠根 (東大阪市)

楠根（くすね）：東大阪市の旧地域を紐解く

楠根は、現在の大阪府東大阪市北西部に位置する地域で、かつての中河内郡楠根村、楠根町にあたります。おおよそ東大阪市立楠根中学校と新喜多中学校の一部の学区に相当し、稲田上町、稲田新町、稲田本町などを含む地域です。

歴史

近代以前

古代の楠根地域は河内湖の一部であり、大和川水系の土砂堆積による低湿地でした。新開池や楠根川、菱江川が合流する地点であり、水害が頻繁に発生していました。1704年の大和川付け替えによって新たな土地が生まれ、「菱屋中新田」「橋本新田」「川俣新田」などが開発されました。

自治体成立以降

1889年、町村制施行により稲田村、長田村、西堤村、川俣村、橋本新田、菱屋中新田の北半分が合併し、楠根村が成立しました。1896年には中河内郡楠根村となり、1929年に町制を施行して楠根町となりました。しかし、1937年に長瀬村などと合併し布施市となり、中河内郡から離脱しました。

地理

旧楠根町は、旧稲田村と橋本新田の地域が飛び地となっていました。その間には菱江川川床を開発した菱屋東新田（旧意岐部村の一部）が存在しました。現在では、鉄道や幹線道路の開通、区画整理によって旧市町村の境界を特定することは困難です。

地域全体は平坦で、旧大和川水系の流域を新田開発した場所が多く、地名として残っています。この地域は低湿地であり、地盤は軟弱な粘土質です。農業は稲作には不向きで、綿やレンコンなどが栽培されていましたが、戦後は住宅地や工業地として開発が進みました。

交通

楠根地域には、以下の交通機関が利用できます。

主要道路
近畿自動車道（東大阪北インターチェンジ）
阪神高速13号東大阪線（長田出入口）
国道308号（中央大通）
大阪府道2号大阪中央環状線
大阪府道15号八尾茨木線
大阪府道702号大阪枚岡奈良線
鉄道
JR学研都市線：徳庵駅
JRおおさか東線：高井田中央駅（ただし、旧楠根町地域外）
地下鉄中央線・近鉄けいはんな線：長田駅
バス
近鉄バス布施営業所：布施線（徳庵系統）

地域

楠根地域は、以下の町丁に区分されます。

徳庵本町：かつての橋本新田。JR徳庵駅周辺の古い住宅や商店が特徴。
稲田本町、稲田新町、稲田上町、稲田三島町：稲田村および藤戸新田。商業施設や中小工場が多い。
川俣、川俣本町：川俣新田。JR高井田中央駅や下水処理場がある。
楠根、七軒家、長田、長田西、長田中、長田東：長田村。大阪紙文具流通センターがある。
西堤、西堤楠町、西堤本通西、西堤本通東、西堤学園町：西堤村。東大阪大学などがある。

楠根は、その歴史と地理的特性から、多様な表情を持つ地域として発展してきました。現代では、交通の便も良く、住みやすいエリアとして注目されています。

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