極低気圧

極低気圧（ポーラーロウ）は、両極地方や極前線帯で発生する特異な低気圧です。特に、非常に気温の低い寒気団の中で発生し、その性質から「真冬の台風」や「真冬の小悪魔」と呼ばれることがあります。温帯低気圧とは異なり、南東側への暖気移流を伴わないのが特徴です。

極低気圧の特徴

発生場所: 主に両極地方や極前線帯の寒気団内。
構造: 前線を全く持たず、雪雲自体が小さな渦を巻いている。
発生条件: 寒冷な極気団が海上を通過する際に発生しやすい。
発生メカニズム: 傾圧不安定、条件付不安定、順圧不安定、大気潮汐、暖流などの急激な変動が関与していると考えられています。
規模: 温帯低気圧に比べて非常に小さいものの、大雪、風雪、大雨、風雨、雷などの気象災害をもたらすことがあります。時には、突発的・局地的な豪雪・豪雨や暴風雪・暴風雨となることもあります。
発生時期: 主に冬から春にかけて発生しますが、まれに夏や秋にも発生することがあります。
発生場所: 南[[極大陸]]全域と南[[極海]]、北[[極海]]とその周辺部、北大西洋北部、ベーリング海、オホーツク海、能登沖、秋田沖、津軽海峡などで発生が見られます。

極低気圧とポーラーサイクロン

極低気圧と混同されやすいものにポーラーサイクロンがあります。ポーラーサイクロンも極低気圧と呼ばれることがありますが、これは直径が1,000kmを超える大規模な低気圧（メソスケール）で、一年中発生します。

極低気圧に関連する現象と用語

寒冷低気圧: 極低気圧は寒冷低気圧の小型版とも考えられています。
極渦: 極低気圧の発生に関連する極地の渦。
爆弾低気圧: 極低気圧とは異なり、急速に発達する低気圧。
ブロッキング (気象): 極低気圧の発生に影響を与える高気圧の停滞現象。
日本海寒帯気団収束帯（線状降雪帯): 極低気圧がもたらす雪雲。

小説における極低気圧の描写

* 女王陛下のユリシーズ号: 小説上で極低気圧に遭遇した描写があります。

極低気圧は、その発生メカニズムや影響範囲など、まだ解明されていない部分も多い気象現象です。しかし、その特異な性質から、気象災害を引き起こす可能性があり、注意が必要です。今後の研究で、より詳細なメカニズムの解明が進むことが期待されます。

もう一度検索