極道の妻たち 決着

極道の妻たち 決着

『極道の妻たち 決着』（1998年公開）は、岩下志麻主演、中島貞夫監督による人気シリーズ「極妻」の第10作。岩下志麻主演としては8作目にあたり、劇場版シリーズの一応の完結作となっています。

あらすじ

舞台は大阪。井手組組長を夫に持つ井手春日（岩下志麻）のもとに、若手幹部・秋葉吟二（竹内力）の死と夫の逮捕という衝撃的な知らせが届きます。秋葉殺害の容疑者は、以前井手組の客分だった玉城元真（トミーズ雅）。玉城は警察に対し、「組長の命令で殺害した」と証言しますが、春日は夫の無実を信じます。

事件の真相を追ううち、春日はホテル建設を巡る融資問題と、背後に隠された巨額の隠し金の存在を知ります。事件には、名越兼良（中条きよし）をはじめとする組の幹部たちが深く関わっていることが明らかになっていきます。春日は、亡き秋葉の妻・杏子（とよた真帆）や、謎の旅人・五橋東造（愛川欽也）らの協力を得ながら、事件の真相に迫ります。

やがて、春日は“秋葉の追善の花会”と称した賭博を開き、事件の黒幕である名越を追い詰めます。そして、井手組の姐として、自ら最後のけじめをつけることを決意します。

ストーリー詳細

物語は、秋葉吟二の死と井手組組長の逮捕という衝撃的な出来事から始まります。春日は夫の無実を信じ、事件の真相を究明しようと奔走します。事件の鍵を握るのは、信金理事長の隠し金でした。秋葉は生前、この隠し金の情報を掴み、事業再開の足掛かりにしようとしていました。

春日は、秋葉の妻・杏子、そして本家の客人の五橋と協力して調査を進めます。五橋は実は名の知れた賭博師であり、その才能を花会で発揮します。また、春日は人を使って玉城の妻を大阪に呼び寄せ、玉城に真実を語らせようとします。

調査の結果、黒幕は名越であることが判明します。名越は井手組を牛耳るため、密かに勢力を拡大していました。そして、秋葉が掴んだ隠し金を奪い、私腹を肥やそうと企んでいたのです。

春日は夫の釈放後、幹部会を開き、夫の引退と、秋葉の追善供養のための賭場を開くことを発表します。そして、花会当日、春日は五橋の協力を得て、名越との最後の勝負に挑みます。名越は有り金全てを失い、春日は井手組の姐として、名越一派に最後のけじめをつけるのです。

キャスト

井手春日：岩下志麻
秋葉杏子：とよた真帆
名越兼良：中条きよし
五橋東造：愛川欽也
秋葉吟二：竹内力
井出篤志：名古屋章
番水彩子：かたせ梨乃

スタッフ

監督：中島貞夫
原作：家田荘子
脚本：高田宏治
* 音楽：栗山和樹

作品の魅力

本作は、岩下志麻演じる春日の気丈さと、極道の世界に生きる女性たちの生き様を描いた作品です。欲望と裏切りが渦巻く世界で、愛と誇りをかけて戦う春日の姿は、観る者の心を強く揺さぶります。また、豪華キャストによる迫真の演技も見どころです。シリーズの完結作として、見逃せない作品となっています。

主題歌は和田アキ子の「河〜River〜」。

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