楽毅

楽毅（がく き）

楽毅（がく き、生没年不明）は、中国戦国時代の燕国の武将。昭王に仕え、卓越した軍事的手腕で斉を滅亡寸前まで追い込み、その名を歴史に刻んだ。

生涯

前歴

楽毅の祖先は、魏の文侯に仕えた楽羊であり、中山国を滅ぼした功績で霊寿に封じられた。楽毅自身は、中山国滅亡後、趙に仕えた後、魏に移り、昭王に見出され燕に仕官した。

燕への仕官

燕はかつて斉に滅ぼされかけており、昭王は斉への復讐を誓っていた。楽毅は昭王に、他国と連合して斉に対抗する策を献策。昭王は楽毅の才能を高く評価し、亜卿に任じた。

斉攻略

楽毅は、趙、魏、韓、楚、秦を説得し、五カ国連合軍を結成。自ら総大将として斉を攻め、済西の戦いで斉軍を打ち破った。その後、破竹の勢いで斉の首都・臨淄を占領し、斉の宝物を燕に送った。昭王は楽毅の功績を称え、昌国君に封じた。斉の70余の都市を攻略し、残るは即墨と莒のみとなった。

亡命

紀元前279年、昭王が死去し恵王が即位すると、恵王は楽毅を快く思っていなかったため、田単の策略に乗せられ、楽毅を解任した。楽毅は誅殺を恐れ、趙へ亡命。趙は楽毅を望諸君に封じ、燕と斉を牽制させた。

恵王は楽毅に弁明の書を送ったが、楽毅は「燕の恵王に報ずるの書」を送り、先王への忠誠を訴えた。恵王は楽毅の息子を昌国君に封じ、和解の証とした。

その後

楽毅は趙で客卿として過ごし、趙で没した。楽毅の斉攻略により、斉は国力を消耗し、秦の統一を許すことになった。楽毅の子孫は趙に移り住み、その中には黄老思想を修めた者もいた。劉邦は楽毅の孫を華成君に封じ、その功績を称えた。

評価

楽毅は史書の中で評価が変動したが、魏の夏侯玄が『楽毅論』を著し、再評価された。

楽毅の軍略、政治手腕、そして先王への忠誠心は、後世に多大な影響を与えた。彼の戦略と思想は、現代においても学ぶべき点が多い。優れたリーダーシップと、国を思う強い気持ちを持ち続けた楽毅は、時代を超えて人々に感銘を与え続けている。

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