榊原政岑

榊原政岑について

榊原政岑（さかきはら まさみね）は、江戸時代中期に活躍した大名であり、播磨姫路藩の藩主として知られています。彼は1713年に相模国に生まれ、榊原家の8代目当主となりました。政岑の生涯は家の相続や奢侈な生活、政治的活動に満ちたものでした。

家督相続

政岑は、父・勝治の次男として誕生しました。初めは父の遺志により、大須賀氏を名乗っていましたが、兄の勝久の死去に伴い、1731年に家督を継承し榊原勝岑と改名します。さらに、1732年には本家の姫路藩主・榊原政祐の末期養子となり、政祐の死後、姫路藩の宗家を継承しました。

遊女遊びと倹約令への抵抗

政岑は、将軍・徳川吉宗の倹約令を無視し、派手な服装や遊興を楽しむ様子が目立ちました。特に新吉原の名妓、高尾太夫を高額で身請けし、豪華な酒宴を開いたことで知られています。これらの行動は享保の改革に対する挑戦と見なされ、将軍に怒りを買いました。1741年には吉宗の命令で出府し、政岑の乱行に関する調査が行われました。改易の危機を迎える中、重臣の弁明により危機は回避されましたが、彼は強制的に隠居させられ、越後高田へ転封となりました。

越後高田での治世

越後高田に蟄居することになった政岑は、子の政純の後見人として藩政の再建に努めました。高田藩は借財が多く、財政は困窮を極めていましたが、政岑は倹約を実行し、新田の開墾や灌漑工事を進めました。また、農民の支援策として竹細工の講習会を開催し、副業を奨励しました。これにより藩政は改善を見せましたが、政岑は1743年に31歳で亡くなりました。

人物像と趣味

政岑は将棋や三味線、浄瑠璃、能楽に通じており、遊び好きとしても知られています。特に能楽においては、吉田家から秘伝を伝授されるほどの愛好者でした。この才能は子供たちへも受け継がれました。彼の遊び好きは、賭け将棋を楽しむエピソードに象徴されています。

姫路藩主時代には長壁神社の祭りで浴衣姿の参加を認め、後の「姫路ゆかたまつり」の起源とも言われています。また、高尾太夫との関係からも彼の好色さが伺え、帰国する際には常に豪華な行列を組み、温泉でも女を身請けするなどの逸話が残っています。

年譜と系譜

政岑の人生は、1731年に家督を継いだことから数えると、若干31年での生涯でした。彼の家系は、榊原勝治、勝久、政祐らがつながりを持ち、その妻たちも名門の血を引いていました。子息には政純や政永がいます。

政岑は、その華麗な生活や政治活動の中で、江戸時代中期の重要な人物として記憶されています。彼の生涯は、豪奢と奮闘の両方を併せ持つ特異な経歴として、今なお多くの人々に興味を抱かせています。

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