榊原温泉口駅

榊原温泉口駅：三重の温泉郷への玄関口

概要

三重県津市白山町佐田に位置する近畿日本鉄道大阪線の駅、榊原温泉口駅は、駅番号D57として知られています。1930年（昭和5年）の開業以来、地域の重要な交通拠点として発展を続け、現在も多くの利用者で賑わっています。駅名は、近隣の有名な温泉地、榊原温泉に由来しています。

歴史

1930年11月、参宮急行電鉄の参急中川（現在の伊勢中川） - 佐田間開業と共に佐田駅として開業しました。その後、幾度の路線延伸や会社合併を経て、近畿日本鉄道の駅となりました。1965年には現在の駅名である榊原温泉口駅に改称され、特急停車駅にも昇格しました。1971年には、当駅と東青山駅間のトンネル内で特急列車の正面衝突事故が発生したという歴史も持ちます。昭和天皇・香淳皇后の行幸啓に伴うお召し列車の運行や、近年ではICカード対応の拡充など、時代とともに変化を遂げてきました。

駅構造

榊原温泉口駅は、築堤上に位置する高架駅で、相対式ホーム2面2線を有します。ホーム有効長は10両編成に対応しています。駅舎はホームの南側にあり、ホームへは階段を利用してアクセスします。バリアフリー設備は現状整っておらず、車椅子利用者には介助が必要な構造となっています。改札口は1ヶ所のみです。デジタル時刻表示と反転フラップ式案内表示機が併用されており、LCD式への更新は行われていません。

駅設備と営業

伊勢中川駅管理の有人駅で、PiTaPa、ICOCAなどのICカードに対応しています。自動改札機は導入されておらず、専用の簡易改札機が設置されています。特急券は自動券売機で購入可能です。窓口での販売も時期によっては行われています。また、大阪線では唯一、名古屋地区用のアナウンスが使用されている点が特徴です。

停車列車

快速急行、急行、普通列車など、ほぼすべての一般列車が停車します。一部の特急列車も停車し、特に阪伊乙特急は土休日を除く多くの列車が停車します。京伊特急も、日中の京都行きの一部が停車します。伊勢中川方面からの急行は、当駅から桜井駅まで各駅に停車します。

利用状況

近年は乗降客数が減少傾向にあり、2005年の1日平均乗降人員約1543人から、2023年には約774人まで減少しています。これは地域の過疎化や交通手段の変化などの影響が考えられます。

駅周辺

駅周辺には榊原温泉をはじめ、宝珠山大観音寺、ルーブル彫刻美術館、マックスバリュ白山店などの施設があります。また、青山高等学校や猪の倉温泉へのアクセスも可能です。駅と各施設の間は、バスやタクシーなどを利用します。

バス路線

津市コミュニティバス（白山地域）の竹原ルートが運行されています。かつては三重交通の路線バスも運行されていましたが、現在は廃止されています。

その他

2010年には、テレビ朝日系列のドラマ『鉄道捜査官』のロケが行われました。

隣の駅

近畿日本鉄道大阪線
青山町駅 - 榊原温泉口駅 - 伊勢中川駅
(東青山駅 - 榊原温泉口駅 - 大三駅) ※普通列車

まとめ

榊原温泉口駅は、歴史と温泉郷へのアクセスという魅力を併せ持つ駅です。利用状況の減少という課題を抱えつつも、地域住民の生活を支える重要な役割を担っています。バリアフリー設備の不足など、課題も多く残されていますが、今後の改善が期待されます。

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