榛名山町

榛名山町

榛名山町（はるなさんまち）は、群馬県高崎市に属する町です。郵便番号は370-3341が割り当てられています。2012年時点での面積は17.48平方キロメートルとなっています。

この町は、かつて西群馬郡室田村、その後の室田町、そして群馬郡榛名町であった時代に存在した広大な大字「榛名山」の南西部に位置しています。平成18年（2006年）に榛名町が高崎市に編入された際、それまで一つの大字であった「榛名山」は南北に分割され、南西側の区域が「榛名山町」、北東側の区域が「榛名湖町」として現在の町名が成立しました。

地理

榛名山町の地形は、その名の通り榛名山の南西斜面に広がっており、地域内を流れる榛名川に沿って開けています。町内には、榛名山の外輪山の一つである鏡台山などが位置しており、豊かな自然環境に恵まれています。

主な河川としては榛名川が挙げられます。山岳としては鏡台山が識られています。

歴史

榛名山町一帯は、古くから地域の信仰を集める榛名神社の門前町として栄えた歴史を持っています。特に神職やその関係者が住む社家町を含み、かつては榛名神社への参詣に訪れる人々をもてなすための宿坊が数多く立ち並んでいました。

江戸時代、この地域は寛永寺の寺領となっていました。そのため、一般的な商売が中心となる門前町とは異なり、参詣者の案内や宿泊の世話を専門に行う「御師（おし）」と呼ばれる人々が集住する、独特な形態の集落を形成していた点が特徴です。これは、榛名山町が単なる商業地ではなく、より宗教的な機能に特化したコミュニティであったことを示しています。

近代に入り、明治2年（1869年）に「春名山村」として起立しましたが、明治17年（1884年）には「榛名山村」と改称されています。

町村制施行に伴う明治・大正期の自治体再編の中で、その所属を変えていきました。明治22年（1889年）4月1日には、榛名山村は上室田村、中室田村、下室田村と合併し、西群馬郡室田村の一部（大字榛名山）となりました。その後、明治29年（1896年）4月1日には郡の統廃合により群馬郡所属となり、明治38年（1905年）4月1日には室田村の町制施行によって室田町大字榛名山の一部となります。昭和30年（1955年）2月1日には、室田町が碓氷郡里見村と合併したことで、群馬郡榛名町大字榛名山の一部となりました。そして、平成18年（2006年）10月1日、榛名町が高崎市に編入された際、大字榛名山が分割され、現在の高崎市榛名山町として新たなスタートを切ったのです。

現代の状況

榛名山町内には、残念ながら鉄道駅は存在しません。しかし、バス路線が運行されており、公共交通機関として利用されています。主要な広域道路である国道は町内を通過していませんが、群馬県道33号渋川松井田線、群馬県道122号八本松松井田線、群馬県道211号安中榛名湖線といった県道が町内を結んでいます。

地域内には、歴史ある榛名神社のほか、榛名簡易郵便局や榛名歴史民俗資料館といった施設が立地しており、住民の生活や地域の歴史・文化に触れる拠点となっています。

なお、世帯数や人口、小・中学校の学区などの最新情報は、高崎市によって定期的に公開されています。

出典・参考文献

本記事の作成にあたっては、『角川日本地名大辞典 10 群馬県』（「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編、角川書店、1988年）などを参照しました。

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