構内配線
構内配線（Structured cabling）は、建物内における通信ネットワークの基盤を構築するシステムであり、単一または複数の建物からなる構内において、標準化された様々な構成要素を用いて配線を行います。このシステムは、データ通信や音声通信を効率的に伝送するために、綿密に設計され、構築されます。
構内配線は、その機能に応じて以下の6つのサブシステムに分類されます。
1. エントランス・ファシリティ：
建物と外部ネットワークとの接点です。
外部からの通信ケーブルが建物内に引き込まれる場所です。
2. 機器室：
建物内の各種通信機器やネットワーク機器が設置される部屋です。
データセンターやサーバールームなどが該当します。
3. 通信室：
幹線配線と水平配線を接続する場所です。
通信機器やデータ機器が設置され、ネットワークの中継点としての役割を果たします。
4. 幹線配線：
エントランス・ファシリティと機器室、または通信室を結ぶ配線です。
建物内の主要な通信経路を構成します。
5. 水平配線：
通信室から各フロアの通信アウトレットまでを結ぶ配線です。
エンドユーザーの利用する端末機器への通信経路を確保します。
6. ワークエリア配線：
水平配線システムの通信アウトレットから、エンドユーザーの端末機器（パソコンや電話など）までを接続する配線です。
ユーザーが直接利用する通信環境を構成します。
構内配線の設計と実装は、国際的な標準規格に基づいて行われます。これらの標準規格は、データセンター、オフィス、集合住宅など、様々な環境でのデータ通信や音声通信の配線を対象としており、カテゴリー5ケーブルやカテゴリー6ケーブル、モジュラーコネクタなどの標準化された部品を使用します。
TIA/EIA-568-B：
アメリカ合衆国で用いられている構内配線の標準規格です。
配線方法やケーブルの性能などに関する詳細な規定を定めています。
ISO/IEC 11801|ISO_IEC 11801：
ヨーロッパを中心に国際的に広く用いられている標準規格です。
様々な環境に対応した配線システムの設計や実装に関するガイドラインを提供します。
JIS X 5150：
ISO/IEC 11801|ISO_IEC 11801を基に、日本国内で策定された規格です。
日本国内の環境や規制に対応した配線システムを構築するための基準を定めています。
これらの標準規格では、中心となるパッチパネルと各通信アウトレットの間でスター型の配線を形成する方法が規定されています。これにより、各接続がどのように使用されるかを正確に管理し、効率的なネットワーク運用を実現します。各通信アウトレットは、データネットワークスイッチや構内交換機（PBX）に接続され、データ通信や音声通信を可能にします。
日本では、オフィスビルなどの構内配線は、以下のような構成で構築されることが多いです。
1. 引き込み口：
公道と建物敷地の境界付近に設けられ、通信ケーブルが建物内に引き込まれる場所です。
2. MDF（主配線盤）：
公道から引き込まれた各電気通信事業者のケーブルと、構内配線との間を接続する配線盤です。
電気通信事業者と建物所有者の責任分界点となります。
3. EPS（電気配管スペース）：
建物各階に通信ケーブルを配線するための縦軸管路です。
ビル内の幹線ケーブルが通されています。
4. 成端箱：
EPSから引き込まれた多芯ケーブルと、機器接続用のケーブルを接続・収容する配線盤です。
各フロア内に設置されます。
通常、電気通信事業者が提供する通信回線と接続する構内配線は、電気通信事業者側が施工を行い、契約者は構内配線をレンタルする形が一般的です。ただし、NTT東日本やNTT西日本の電話回線では、契約者が屋内配線を買い取ることも可能です。しかし、屋内配線に起因するトラブルは契約者側の責任となるため、修理などは契約者自身で対応する必要があります。
データポートへの接続には、パッチケーブルが使用されます。一方の端はコンピュータに接続されます。音声通信の場合、多くの国では電話回線用ソケットと8P8Cコネクタの変換が必要となる場合があります。アメリカ合衆国では、RJ-11で使用される6P6Cプラグが8P8Cソケットと物理的に互換性があるため、アダプタは不要です。イギリスでは、6ピンのBTソケットは8P8Cと物理的に非互換であるため、アダプタが必須となります。
パッチパネルで各配線がどのような信号を伝送しているかを示すために色付きのパッチケーブルを使用するのが一般的ですが、これは標準規格で義務付けられているわけではありません。
構内配線は、現代の建物における通信インフラの基盤となる重要なシステムです。標準規格に基づいた設計と実装により、信頼性の高い通信環境を実現し、データ通信や音声通信を円滑に行うことができます。これらの規格を理解し、適切な配線システムを構築することが、効率的なネットワーク運用の鍵となります。
構内配線の構成要素
構内配線は、その機能に応じて以下の6つのサブシステムに分類されます。
1. エントランス・ファシリティ：
建物と外部ネットワークとの接点です。
外部からの通信ケーブルが建物内に引き込まれる場所です。
2. 機器室：
建物内の各種通信機器やネットワーク機器が設置される部屋です。
データセンターやサーバールームなどが該当します。
3. 通信室：
幹線配線と水平配線を接続する場所です。
通信機器やデータ機器が設置され、ネットワークの中継点としての役割を果たします。
4. 幹線配線：
エントランス・ファシリティと機器室、または通信室を結ぶ配線です。
建物内の主要な通信経路を構成します。
5. 水平配線：
通信室から各フロアの通信アウトレットまでを結ぶ配線です。
エンドユーザーの利用する端末機器への通信経路を確保します。
6. ワークエリア配線：
水平配線システムの通信アウトレットから、エンドユーザーの端末機器（パソコンや電話など）までを接続する配線です。
ユーザーが直接利用する通信環境を構成します。
構内配線の標準規格
構内配線の設計と実装は、国際的な標準規格に基づいて行われます。これらの標準規格は、データセンター、オフィス、集合住宅など、様々な環境でのデータ通信や音声通信の配線を対象としており、カテゴリー5ケーブルやカテゴリー6ケーブル、モジュラーコネクタなどの標準化された部品を使用します。
TIA/EIA-568-B：
アメリカ合衆国で用いられている構内配線の標準規格です。
配線方法やケーブルの性能などに関する詳細な規定を定めています。
ISO/IEC 11801|ISO_IEC 11801：
ヨーロッパを中心に国際的に広く用いられている標準規格です。
様々な環境に対応した配線システムの設計や実装に関するガイドラインを提供します。
JIS X 5150：
ISO/IEC 11801|ISO_IEC 11801を基に、日本国内で策定された規格です。
日本国内の環境や規制に対応した配線システムを構築するための基準を定めています。
これらの標準規格では、中心となるパッチパネルと各通信アウトレットの間でスター型の配線を形成する方法が規定されています。これにより、各接続がどのように使用されるかを正確に管理し、効率的なネットワーク運用を実現します。各通信アウトレットは、データネットワークスイッチや構内交換機（PBX）に接続され、データ通信や音声通信を可能にします。
日本における構内配線の実情
日本では、オフィスビルなどの構内配線は、以下のような構成で構築されることが多いです。
1. 引き込み口：
公道と建物敷地の境界付近に設けられ、通信ケーブルが建物内に引き込まれる場所です。
2. MDF（主配線盤）：
公道から引き込まれた各電気通信事業者のケーブルと、構内配線との間を接続する配線盤です。
電気通信事業者と建物所有者の責任分界点となります。
3. EPS（電気配管スペース）：
建物各階に通信ケーブルを配線するための縦軸管路です。
ビル内の幹線ケーブルが通されています。
4. 成端箱：
EPSから引き込まれた多芯ケーブルと、機器接続用のケーブルを接続・収容する配線盤です。
各フロア内に設置されます。
通常、電気通信事業者が提供する通信回線と接続する構内配線は、電気通信事業者側が施工を行い、契約者は構内配線をレンタルする形が一般的です。ただし、NTT東日本やNTT西日本の電話回線では、契約者が屋内配線を買い取ることも可能です。しかし、屋内配線に起因するトラブルは契約者側の責任となるため、修理などは契約者自身で対応する必要があります。
パッチケーブルとコネクタ
データポートへの接続には、パッチケーブルが使用されます。一方の端はコンピュータに接続されます。音声通信の場合、多くの国では電話回線用ソケットと8P8Cコネクタの変換が必要となる場合があります。アメリカ合衆国では、RJ-11で使用される6P6Cプラグが8P8Cソケットと物理的に互換性があるため、アダプタは不要です。イギリスでは、6ピンのBTソケットは8P8Cと物理的に非互換であるため、アダプタが必須となります。
パッチパネルで各配線がどのような信号を伝送しているかを示すために色付きのパッチケーブルを使用するのが一般的ですが、これは標準規格で義務付けられているわけではありません。
まとめ
構内配線は、現代の建物における通信インフラの基盤となる重要なシステムです。標準規格に基づいた設計と実装により、信頼性の高い通信環境を実現し、データ通信や音声通信を円滑に行うことができます。これらの規格を理解し、適切な配線システムを構築することが、効率的なネットワーク運用の鍵となります。
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