カテゴリー6ケーブル

カテゴリー6ケーブルとは

カテゴリー6ケーブル（Cat 6）は、高速データ通信を目的としたツイストペアケーブルの規格で、主にイーサネットネットワークの配線に用いられます。ANSI/TIA/EIA-568-B.2-1で規定されており、1Gbpsのギガビットイーサネット（1000BASE-T）で広く利用されています。また、2.5Gbpsや5Gbpsのマルチギガビットイーサネット、10Gbpsの10ギガビットイーサネット（10GBASE-T）でも使用できます。

ケーブルの種類

カテゴリー6ケーブルには、シールド付きのSTPケーブルとシールドなしのUTPケーブルがあります。STPケーブルはノイズ耐性が高く、UTPケーブルは柔軟性があり取り扱いやすいのが特徴です。

カテゴリー6Aケーブル

カテゴリー6A（Augmented Cat 6）は、カテゴリー6の拡張規格で、伝送帯域幅が500MHzとカテゴリー6の2倍になっています。これにより、10GBASE-Tの性能を最大限に引き出すことが可能になりました。ただし、UTPケーブルでは、特定の条件下で10GBASE-Tの性能を完全には満たせない場合があることも指摘されています。

技術的な詳細

伝送速度と帯域幅

カテゴリー6ケーブルは、250MHzの伝送帯域幅を持ち、主に1000BASE-Tや1000BASE-TXで使用されます。また、2.5GBASE-Tや5GBASE-Tでは100m、10GBASE-Tでは最大37m/55mまで対応可能です（10GBASE-Tは、ケーブルの品質や環境に大きく依存）。

カテゴリー6Aケーブルは、500MHzの伝送帯域幅を持ち、10GBASE-Tでの利用を想定して規格化されました。これにより、より安定した高速通信が可能になりました。

ケーブル構造

カテゴリー6ケーブルは、4対のツイストペアケーブルで構成されています。内部には十字介在物が設けられており、各ペア線を分離することでノイズの影響を低減し、安定した信号伝送を可能にしています。終端には、UTPケーブルではRJ-45コネクタが使用されます。

ギガビットイーサネットとの対応

カテゴリー6ケーブルは、元々1000BASE-TX向けに規格化されましたが、実際には1000BASE-Tが広く普及しました。カテゴリー5以上のUTPケーブル（Cat5e/6/6A）は、ほとんどの場合、1000BASE-Tに対応しています。ただし、規格上はフルクロスケーブルは1000BASE-T用と1000BASE-TX用で仕様が異なるため、共通使用はできません。

下位互換性

カテゴリー6/6Aケーブルは、カテゴリー3、カテゴリー5/5eなどの下位規格との互換性があり、10BASE-Tや100BASE-TXのケーブルとしても利用可能です。

STPケーブルについて

一般的に普及しているのはシールドされていないUTPケーブルですが、カテゴリー6AではSTPケーブルも工業規格化されています。カテゴリー6以下のSTPケーブルを利用する場合は、機器側の対策も含めて注意が必要です。

その他の情報

カテゴリー6eケーブル

「カテゴリー6eケーブル」や「エンハンスドカテゴリー6」といった名称のケーブルが販売されていることがありますが、これらはISO規格やTIA規格ではなく、ケーブルメーカー独自の規格です。

まとめ

カテゴリー6/6Aケーブルは、高速なデータ通信を実現するための重要なインフラです。特にカテゴリー6Aは、10GBASE-Tの性能を最大限に発揮し、より高速で安定したネットワーク環境を構築する上で不可欠な要素となっています。

関連項目

• - イーサネット#ツイステッド・ペア・ケーブル
• - ツイストペアケーブル#カテゴリによる分類
• - カテゴリー5ケーブル
• - カテゴリー7ケーブル

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