カテゴリー5ケーブル

カテゴリー5/5eケーブルについて

カテゴリー5ケーブル（Cat 5）は、主にイーサネットネットワークで使用されるツイストペアケーブルの規格です。高速なデータ転送を目的としており、ANSI/TIA/EIA-568-A規格で定義されています。現在では、カテゴリー5を拡張したカテゴリー5eケーブルが主流となっています。

主な用途

カテゴリー5/5eケーブルは、1Gbpsのギガビットイーサネット（1000BASE-T）で広く利用されています。さらに、カテゴリー5eケーブルは、2.5Gbps（2.5GBASE-T）の通信にも対応可能です。電話回線、トークンリング、ATMなどの通信にも使用されることがあります（短距離であれば、最大155Mbpsの転送が可能）。

上位規格

カテゴリー5の上位規格として、カテゴリー5e、カテゴリー6、カテゴリー6A、カテゴリー7などがあります。それぞれの規格で対応する通信速度や周波数帯域が異なります。

カテゴリー5ケーブルの詳細

カテゴリー5ケーブルは、一般的にCat 5またはCat.5と表記されます。規格はANSI/TIA/EIA-568-Aに定義されており、TSB-95で詳細が規定されています。この規格では、100MHzまでの伝送帯域幅の性能特性と試験の要求仕様が定められています。

構造

カテゴリー5ケーブルは、4組の撚り対線が一本のケーブル被覆内に収められています。各撚り対線は平衡接続となっており、外部や他の撚り対線からの干渉（漏話）を抑制し、高いS/N比を維持できます。

利用シーン

主に100BASE-TXイーサネットなどの100Mbpsのネットワークで使用されますが、IEEE 802.3ab規格では1000BASE-Tをカテゴリー5ケーブルで使用するための規格も定義されています。

特徴

カテゴリー5ケーブルは、一般的に1インチあたり3回撚られており、各線にはAWG（American Wire Gauge）規格の24サイズの銅線が使用されています。

カテゴリー5eケーブルの詳細

カテゴリー5eケーブルは、一般的にCat 5eまたはCat.5eと表記され、カテゴリー5のTIA/EIA-568-Aを置き換える形で、2001年にTIA/EIA-568-B標準として定義されました。カテゴリー5eケーブルの性能特性と試験方法は、TIA/EIA-568-B.2-2001に規定されています。

性能

カテゴリー5eの伝送帯域幅も100MHzですが、カテゴリー5の上位規格として、遠端漏話（far end crosstalk）に関する規定が追加されています。

対応速度

カテゴリー5eケーブルは、1Gbpsのイーサネット規格である1000BASE-T（信号帯域幅62.5MHz）だけでなく、信号帯域幅100MHzの2.5Gbps（2.5GBASE-T）にも対応しています。

注意点

カテゴリー5eケーブルは、性能に関する厳密な規定があるため、長距離での使用には制限があります。最大でも100mまでとされており、固定ケーブルは90m、両端5mずつをパッチケーブルとした場合で、コネクタ接続が2箇所含まれる想定です。

コネクタとケーブルの種類

単線と撚り線

ケーブルには、単線を使うものと撚り線を使うものがあります。撚り線は柔軟性がありますが、単線の方が安価です。そのため、壁や床下に固定配線する場合は単線、機器への接続には撚り線を使用するのが一般的です。

コネクタ

ケーブルの種別、コネクタの種別、トポロジーなどはTIA/EIA-568-Aに定義されています。8P8Cモジュラコネクタ（一般的にRJ45と呼ばれる）がカテゴリー5ケーブルの接続によく使われます。

結線方式

ケーブルのコネクタでの結線には、T568AとT568Bの2種類があります。ストレートケーブルの場合、どちらの方式でも違いはありません。しかし、ケーブル同士を継ぎ足して接続する場合、方式が混在するとインピーダンスの違いから信号が減衰する可能性があります。PC同士を直接接続する場合には、片方がT568A、もう片方がT568Bのハーフクロスケーブル（100BASE-TX以下に対応）を使用しますが、最近の機器ではストレートケーブルでも接続可能な場合があります。

シールドの有無

カテゴリー5/5eケーブルは、基本的にシールドされていないUTPケーブルがほとんどです。しかし、メーカー独自規格で一部のカテゴリー5eには、ノイズ対策としてSTPケーブルも市販されています。一般的にSTPケーブルを使用する際には、機器側の対策も考慮する必要があります。

カテゴリー5相当のケーブル

100BASE-TXの普及期には、「カテゴリー5相当」と記載されたスリムタイプのケーブルが市販されていました。これらのケーブルは、正式なカテゴリー5製品とは異なり、4対すべてが結線されているわけではなく、2対しか結線されていないものや、ケーブル自体が2対しかないものがあります。100BASE-TXまでは2対しか使用しないため、これらのケーブルでも問題なく使用できることが多いですが、1000BASE-Tでは4対すべてが必要となるため、注意が必要です。

まとめ

カテゴリー5およびカテゴリー5eケーブルは、イーサネットネットワークにおいて重要な役割を果たしています。それぞれの規格、特徴、使用上の注意点を理解し、適切なケーブルを選択することが大切です。特に、高速通信が必要な場合は、カテゴリー5e以上のケーブルを使用することをお勧めします。

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