標題紙

標題紙（タイトルページ）とは

標題紙とは、本や論文の冒頭に置かれるページで、タイトルなどの書誌情報が記載されています。英語の "title page" の訳語であり、タイトルページとも呼ばれます。標題が記されたページだけでなく、その裏面を含む場合もあります。

標題紙の歴史

写本や初期の活字本には標題紙に相当するものがありませんでした。15世紀に本文を保護する目的で白紙が置かれるようになり、それが次第に標題紙へと変化しました。16世紀後半以降には、標題紙の前に略標題を記した紙が追加されるようになります。

標題紙の内容

表面

標題（タイトル）: 正式で完全なタイトルが記載されます。サブタイトルや別言語のタイトルも併記されることがあります。
責任表示: 著者、編者、翻訳者、監修者など、本の内容に責任を持つ人物が記されます。
版表示: 改訂版である場合に、版数が記載されます。
出版事項: 出版地、出版者、出版年が記されます。

裏面

出版者の所在地、国名
印刷者
原書の書誌情報（翻訳書の場合）
著作権表示
過去の版、重刷の記録
ISBN
* CIP（Cataloging in Publication）

標題紙の種類

標題紙は1ページとは限らず、見開き2ページを使うものや、複数言語で書かれた本では各言語ごとに標題紙を用意するものがあります。また、叢書では「叢書の標題紙」と「その巻の標題紙」を持つことがあります。略標題紙は副標題紙とも呼ばれます。

標題紙のデザイン

標題紙には、木版画や銅版画などの装飾が施されることがあります。16世紀後半には標題部分を赤字で印刷することが流行し、17世紀には建築様式を模した装飾が用いられました。標題紙には本文と同じ紙を使うのが普通ですが、日本では厚手の上質紙が使われることがあります。

論文の標題紙

論文や随筆の標題紙は、作品の最初のページを指します。作品の題名や著者名が記載されます。学生の論文やレポートでは、所属、学籍番号、日付、指導教官名なども記載されます。論文の場合、標題紙を省略して、同様の情報を論文の最初のページに記載することもあります。学術論文の場合、標題紙には正式な題名、著者名、学歴、学位、大学名、卒業年、コピーライトマークなどを入れます。通常、標題紙は1ページ目ですが、ページ数には含まれず、2ページ目の要旨が第1ページとして数えられます。

標題紙は本の顔であり、読者に第一印象を与える重要な要素です。そのデザインや記載内容を通じて、本の性格や価値を伝える役割を担っています。

もう一度検索