権堂義幸

権藤義幸：教育と地域開発に尽力した人物

権藤義幸（1925年7月 - 2012年2月25日）は、学校法人経営者、理事長、そして政治家として多岐にわたる分野で活躍しました。福岡県小倉市（現北九州市）で生まれ、地域の発展に大きく貢献した人物です。

生い立ちと初期の活動

1925年（大正14年）7月、権藤義幸は小倉市で誕生しました。旧制常磐中学校（現・常磐高等学校）を1944年（昭和19年）に卒業。在学中は相撲部で活躍し、1943年（昭和18年）には全国大会に出場し、個人戦で準優勝を飾るなど、その才能を発揮しました。1951年（昭和26年）には小倉市議会議員選挙で初当選を果たし、その後、小倉市議および北九州市議として通算5期にわたり市政に貢献しました。

学校法人経営者としての手腕

会社役員を経て、1967年（昭和42年）に学校法人常磐学園の理事に就任。1969年（昭和44年）には常磐高等学校の理事長に就任しました。その後、学校法人明経学園美萩野臨床医学専門学校、学校法人美萩野学園美萩野女子高等学校・小倉日新館中学校、学校法人飯塚学園飯塚日新館中学校・日新館高等学校 (福岡県)（廃校）、学校法人若松学園高稜高等学校、学校法人萩学園萩国際大学（現・至誠館大学）、財団法人創生奨学会など、数多くの学校法人や団体の理事長を歴任し、教育事業に尽力しました。1988年（昭和63年）には、その功績が認められ藍綬褒章を受章しています。

小倉駅西地区再開発への挑戦と挫折

1990年からは、小倉駅西地区再開発準備組合の理事長として、JR小倉駅西地区の再開発を計画しました。しかし、テナント誘致が難航し、再開発計画は断念せざるを得ませんでした。地域経済の活性化を目指したこのプロジェクトは、結果として実を結ぶことはありませんでしたが、権藤の地域への貢献意欲を示すものでした。

萩国際大学開校の歴史と苦難

1995年（平成7年）、島根県益田市に四年生私立大学を建設する計画が持ち上がり、権藤は大学進出の代表者として、当時の益田市長である渋谷義人氏との間で協定書を締結しました。しかし、1996年（平成8年）に常磐学園から大学建設費用として10億円の出資が提案されたものの、反対運動が起こり、反対派の代表が市長として当選。これにより、益田市は17億円を投入していたにもかかわらず、大学設置は中止となりました。

その後、1997年（平成9年）に学校法人萩学園萩女子短期大学を4年制大学に改組し、1999年の開学を目指す構想を打ち出し、文部省に大学設置許可を申請。1998年（平成10年）に大学設置が認可され、総事業費64億5600万円のうち、県と市が40億円を補助することが決定しました。こうして萩国際大学（現・至誠館大学）が開学に至りました。

しかし、開学後も問題は山積しました。2002年（平成14年）には、広島入国管理局が10月入学予定だった中国人留学生127人のビザ取得に必要な在留資格認定証明書について、「留学生の選抜過程に疑問がある」として交付しないことを決定。これは、同年春に入学した留学生26人が所在不明になっており、管理体制に問題があると判断されたためでした。その後も定員割れが続き、経営難から2005年（平成17年）には民事再生法を申請する事態となりました。権藤は萩市側との対立から理事長を辞任し、後に開校事業費の自己負担分の返還を求めて学校法人を提訴しました。

晩年

晩年は、萩国際大学（現・至誠館大学）の運営を巡る訴訟問題など、苦難も経験しましたが、その生涯を通じて、教育と地域社会の発展に尽力しました。権藤義幸の足跡は、多くの人々に記憶され、語り継がれています。

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