権藤芳一

権藤芳一 - 日本の古典芸能評論家

権藤芳一（ごんどう よしかず、1930年12月18日- 2018年3月30日）は、日本の古典芸能に関する評価や考察を行った著名な評論家です。彼は京都で生まれ、同志社大学の文学部を卒業したのち、長年にわたって関西地域の舞台芸術に深く関与しました。特に、能や歌舞伎、現代演劇についての評論を多く執筆し、日本の古典芸能の普及と発展に寄与しました。

経歴

権藤は、京都観世会事務所での30年間の勤務を通じて、関西の舞台芸術を観察し続けました。この経験を活かし、大阪学院大学国際学部の教授として教壇にも立ち、2001年には定年を迎えました。また、日本演劇学会の関西支部長を最後に務め、地域の演劇文化の発展に尽力しました。

著作物

彼の著作は豊富で、以下の代表作が特に有名です。

• - 『近代歌舞伎劇評家論』（演劇出版社、1959年・増補版2006年）

- この著書では、近代の歌舞伎に関する評論家たちの研究を行い、彼らの思考と影響を探りました。

• - 『能に生きる歴史群像』（淡交社、1972年）

- 能楽の背後にある歴史的な背景を考察し、芸術としての意義を論じています。

• - 『誰にでもわかる能のみかた』（東洋文化社、1975年）

- 初心者も能楽に相しやすく理解できるように解説した作品です。

• - 『能楽手帖』（駸々堂出版、1980年）

- 能楽に関する基礎知識や見方を提供するための手引きです。

• - 『文楽の世界』（講談社、1985年）

- 日本の人形浄瑠璃である文楽について、詳細に述べた作品です。

• - 『上方歌舞伎の風景』（和泉書院、2005年）

- 上方歌舞伎の背景や特色について解説した本です。

• - 『戦後関西能楽誌』（和泉書院、2009年）

- 戦後における関西の能楽の動向を記録したものです。

• - 『能舞台の主人公たち 鑑賞の手引き』（淡交社、2009年）

- 能舞台の主役たちを紹介し、その魅力を解説した入門書です。

• - 『権藤芳一上方芸能を語る 能楽・文楽・歌舞伎、そして武智鉄二』（立命館大学アート・リサーチセンター上方芸能研究会、2011年）

- 上方芸能についての論考を収めた一冊です。

• - 『平成関西能楽情報』（和泉書院、2013年）

- 現在の能楽の情報を網羅した書籍です。

権藤はまた、『世阿弥を歩く』や『双蝶々曲輪日記』のような共著や編著も手がけており、その業績は日本の古典芸能研究において極めて重要なものとされています。彼の評論や著書は、古典芸能をより多くの人々に理解してもらうための貴重な資料となり、次世代の研究者や愛好者たちへの道しるべともなっています。権藤芳一の貢献は、日本の文化遺産を未来に伝える重要な役割を果たしているのです。

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