横大路 (奈良県)

横大路について

横大路（よこおおじ）は、奈良盆地を東西に貫く古代の道で、特に藤原京付近を通る部分が広く知られています。この道は、古くから地方を結ぶ重要な交通路として機能しており、奈良の歴史において重要な役割を果たしてきました。

概要

横大路には主に二つの部分があります。1つ目は、奈良盆地南部の藤原京付近から始まる道であり、2つ目は法隆寺周辺から現在の天理市櫟本に至る道です。しかし、通常「横大路」と言った場合には、前者の部分を指すことが多く、後者は「北の横大路」と呼ばれます。

伊勢街道との関係

特に「横大路」として知られる道は、桜井市の三輪山の南側から葛城市の二上山付近に至るまでほぼ一直線に延びています。この道は、難波京と飛鳥京を結ぶ官道の一部として整備されました。伊勢街道（または伊勢本街道）とも呼ばれており、現代では国道166号線の一部でもあります。国道166号線は、この古道に沿って走る形となっています。

地域との連結

横大路は、その東側で伊勢国へ向かう伊勢街道や初瀬街道と接続し、西側では和泉国へ向かう竹内街道や長尾街道と連絡しています。この道は、神武天皇が関連する神々に献上した赤楯矛や黒楯矛の伝説と結びついており、両地を結ぶことが初期大和朝廷において重要だったことを示しています。

また、都が飛鳥や藤原京にあった時代には、多くの外交使節などもこの道を通行しました。江戸時代には、伊勢神宮への参拝者がこの道を利用し、賑わいを見せていました。

関連する交差路

横大路は、その途中でいくつかの街道と交差しています。具体的には、上ツ道、太子道、中ツ道、下ツ道、下街道などがあり、ここでの交差により交通の便が確保されています。特に太子道以外は全て奈良盆地を南北に貫いている点が特徴的です。

この道は、東から流れる大和川や寺川、米川、飛鳥川、曽我川、葛城川、高田川、葛下川など、多くの川も横断しています。この状況から、古代には奈良盆地中央に湖や池のような湿地帯があった可能性が指摘されています。

北の横大路

一方、北の横大路として知られる道は、斑鳩町の法隆寺付近から天理市の櫟本に延びる道で、現在の国道25号線や奈良県道192号福住横田線の一部と一致しています。この道は、業平道とも称されており、西側では竜田越奈良街道へと接続しています。

結論

横大路は、奈良の古代において重要な役割を果たした道であり、その歴史と文化を知るうえで非常に興味深い存在です。現在でも、その名残を感じることができ、多くの人々に親しまれています。

もう一度検索