横山英太郎

横山英太郎（よこやま えいたろう）

横山英太郎は1883年7月に福井県三国町で誕生し、1966年6月13日に82歳で他界した、日本の著名な工学者です。彼の専門は電気工学および電気通信であり、特に無線通信の分野において多大な功績を残しました。

経歴

横山は福井県立福井中学校から第一高等学校を経て、東京帝国大学を卒業しました。卒業後、逓信省電気試験所に勤務し、鳥潟右一や北村政治郎と共に世界初の無線電話機を開発しました。それは1914年から1916年にかけて、鳥羽・神島・答志島間で実施された無線電話の実用試験によって成功を収め、無線電話の実用化において画期的な業績となりました。

この無線電話の名称は、彼ら三人の頭文字を取った「TYK式無線電話」（T:鳥潟, Y:横山, K:北村）とされ、特にその革新性は当時の通信界に衝撃を与えました。発信機には特殊電極と直流を用いた火花式発信器が使用され、鉱石検波器と組み合わせることで実用化を実現しました。これは注目すべきことであり、イタリア人発明家グリエルモ・マルコーニの業績に続く、重要な発展でした。

しかし、TYK式無線電話は技術的な限界もありました。デンマークのヴォルデマール・ポールセンによるアーク放電を利用した無線電話器であったため、連続放電に問題があり、後に真空管の発明が進んだことで、その存在は次第に脅かされることとなりました。連続放電への改良は試みられましたが、結局のところTYK式無線電話は短命に終わる結果となりました。

その後、横山は日本無線取締役や国際電気通信の常務としても活躍し、同研究所長を務めるなど、引き続き彼の専門分野での研究を進めていきました。1942年には電波物理研究所の所長に就任し、学術的な活動も続行しました。また、1916年には学士院賞を受賞し、彼の業績が広く評価されることになります。

栄典

横山英太郎は1924年12月15日に正五位を受賞し、その功績を讃えられました。

家族

彼の妻は千恵であり、平岡なつ（三島由紀夫の祖母）の妹でした。また、娘は伊部恭之助の妻として知られています。

横山はその業績によって日本の無線通信技術の基盤を築き、彼の名前は永遠に歴史に刻まれています。彼の業績は無線電話の実用化という重要な第一歩を踏み出すものであり、現代の通信技術の発展にも大きな影響を与えることとなりました。彼の功績を称えることは、技術の進歩における重要な歴史を認識する上で欠かせないのです。

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