横河武蔵野アトラスターズ

横河武蔵野アトラスターズ

横河武蔵野アトラスターズ（英: Yokogawa Musashino Atlastars）は、東京都武蔵野市を本拠地とする社会人ラグビーチームです。電気機器メーカーである横河電機を母体とし、現在はトップイーストリーグAグループ（2024-2025シーズン終了後にBグループ降格）に所属しています。ホームグラウンドは、横河電機武蔵野グラウンドを使用しています。

チーム概要と運営

チーム名の「アトラスターズ（Atlastars）」は、「Atlas」（ギリシャ神話のアトラス神、または地図帳、最高峰）と「Stars」（星）を組み合わせた造語であり、「At last」（最後に勝ち残る）という、勝利への強い思いも込められています。現在のチーム名称は、2008年にトップリーグへ昇格した際に採用されました。

かつては横河電機本社の企業チームとして運営されていましたが、企業スポーツの新たな形態として、2017年2月からは一般社団法人「横河武蔵野スポーツクラブ」に運営が委託されています。これは、地域密着型の総合地域スポーツクラブを目指すという目的のもと設立された法人によるものです。

現在、アトラスターズ（男子社会人チーム）に加え、女子社会人チームのアルテミスターズ、15歳以下の男女アカデミーチーム、18歳以下の女子ユースチームなど、幅広い年代・カテゴリーのチームを保有し、ラグビーの普及・育成にも力を入れています。また、同じ武蔵野市を拠点とするサッカークラブ（旧横河電機サッカー部）の運営も、一時的な移管や合弁法人設立を経て、現在は再び横河武蔵野スポーツクラブが担う形となっています。

歴史

チームの歴史は古く、1946年に「横河電機製作所ラグビー部」（呼称は横河電機または横河）として創部されました。2006年にはラグビー部を「フラッグシップスポーツ」と位置づけ、強化を進めます。2008年にチーム名を「横河武蔵野アトラスターズ」に変更しました。

日本の社会人ラグビーにおいて重要な位置を占めた関東社会人リーグには、1960年の発足当初から1部リーグに参加しました。翌1961年には秋季トーナメントで優勝を飾るなど、古豪としての実力を示しました。1960年から1987年までの28シーズンにわたり、東日本地域のトップカテゴリーであった同リーグの1部に全シーズン在籍した唯一のチームという特筆すべき記録を持っています。1988年に発足した東日本社会人リーグにも参入しましたが、1990年シーズン終了後に一旦関東社会人リーグ1部へ降格しました。

全国社会人大会へは、1955年度に初出場を果たしました。1989年度までの間に計13回出場し、最高成績はベスト4進出（1955、1960、1962、1963年度の4回）です。

2003年に日本最高峰リーグとしてトップリーグが開幕すると、横河電機は2部相当のトップイーストリーグに所属しました。元日本代表の吉田義人氏がコーチに就任した2004年以降、チーム成績は安定して向上し、2007-2008シーズンにはトップイースト11で全勝優勝を達成し、チーム史上初のトップリーグ昇格を決めました。しかし、2008-09シーズンは苦戦し、1勝に終わり最下位となり、わずか1年でトップイーストリーグへ自動降格となりました。

トップイーストリーグ降格後も、長らく最上位グループに在籍し、上位争いに絡むシーズンもありました。近年はリーグ再編を経てトップイーストリーグAグループに所属していますが、2023-2024シーズン、2024-2025シーズンと2年連続で入替戦に敗れ、2024-2025シーズン終了をもってBグループへの降格が決まりました。ただし、2023-2024シーズン終了後の降格決定時には、リーグワン参入チームの状況により繰り上げでAグループに残留しています。

横河ヒューレット・パッカード ラグビー部

横河電機とヒューレット・パッカードの合弁会社として1963年に設立された横河ヒューレット・パッカード株式会社（YHP）にもラグビー部が存在しました。親会社である横河電機との連携もあり、チーム強化が進められました。YHPラグビー部は1963年に創部され、関東社会人リーグ（当時は4部）に参加。1967年には1部リーグへ昇格し、通算8シーズン在籍しました。最高成績は1977年の3位タイです。また、全国社会人大会にも1964年度に出場した実績があります。早稲田大学の主将・監督として日本一を経験した木本建治氏など、著名な人物も在籍しました。

過去の主な所属選手

横河武蔵野アトラスターズには、過去に多くの notable な選手が所属していました。日本代表経験者としては、青井達也、植山信幸、笹田学、夏井末春、ピエイ心羽マフィレオ、平島正登、フィリップ・オライリー、松永敏宏、安田真人、渡辺登らが挙げられます。また、元日本代表監督の横井久氏や、元オーストラリア代表のラディキ・サモ、元サモア代表のレオ・ラファイアリといった国際的な選手もチームに貢献しました。

不祥事

チームの歴史においては、過去に所属選手による不適切な言動が問題となったケースがあります。2011年には、試合中の発言が原因で、所属選手が対外試合出場停止およびチームの活動自粛処分を受ける事態が発生しています。

タイトル

下位リーグ優勝: トップイースト11（2007年度）
カップ戦優勝: 関東社会人リーグ・秋季トーナメント（1961年度）

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