横浜ステーシヨンビル

株式会社横浜ステーシヨンビル

かつて神奈川県横浜市に本社を置き、主に駅ビルや駅ナカ商業施設の運営を手掛けていた企業です。相模鉄道をはじめとする複数社の共同出資により設立され、長年にわたり横浜駅西口の顔ともいえる駅ビルの運営を担いました。その後、筆頭株主が東日本旅客鉄道（JR東日本）へと変わり、JR東日本グループの一員として事業を展開。2024年4月1日に湘南ステーションビル株式会社に吸収合併され、その法人格は消滅しました。

会社の歩み

株式会社横浜ステーシヨンビルは、1961年2月3日に設立されました。この設立は、相模鉄道と崎陽軒がそれぞれ進めていた国鉄横浜駅西口駅舎の建設計画を一本化する形で実現したものです。相模鉄道（40%）、鉄道弘済会（30%）、崎陽軒（20%）、東京急行電鉄（10%）の4社が共同で1億円の資本金を出資。初代社長には相模鉄道の社長が就任しました。これにより、横浜駅西口に「民衆駅」方式の駅ビルを建設・運営する体制が整いました。

設立から約1年半後の1962年11月23日、横浜駅西口駅舎として「横浜ステーションビル」が開業しました。このビルは当初「花の駅ビル」とも呼ばれ、後に「シァル」、さらに「横浜CIAL」と名称を変えながら、長らく多くの人々に親しまれました。ビル内には多様な店舗に加え、ボウリング場「横浜駅ビルボール」などもありました。このボウリング場を運営していた会社は、設立当初は相鉄興業と当社の共同出資による「株式会社横浜ボーリングセンター」でしたが、後に社名変更や事業廃止、吸収合併を経て、現在の相鉄ローゼン株式会社へと連なります。

設立以来、当社は相鉄グループの一員として運営を続けていましたが、徐々に資本構成に変化が見られました。1981年10月には国鉄が資本参加。1987年4月の国鉄分割民営化に伴い、国鉄の保有株式はJR東日本へ承継され、横浜駅もJR東日本の駅となりました。そして1992年11月には、JR東日本が当社の筆頭株主となります。2000年代に入り、相模鉄道が経営再編を進める中で、2004年12月27日に相模鉄道が保有していた当社株式の一部をJR東日本に譲渡。これにより、当社および子会社であった横浜駅ビル商事株式会社、横浜駅ビル建物株式会社は相鉄グループを離れ、JR東日本グループの連結子会社となりました。

JR東日本グループ入り後、当社は商業施設運営事業を拡大していきます。特に「CIAL」ブランドを中心に、横浜駅周辺だけでなく、京浜東北線や横須賀線、横浜線などの沿線駅にも施設を展開しました。2007年3月には「プチール港南台」、2009年からは「EKiST鹿島田」「EKiST保土ヶ谷」「EKiST鎌倉」「CIAL PLAT東神奈川」などを承継・開業させました。既存の施設も順次名称変更や改装が行われ、「EKiST保土ヶ谷」は「CIAL保土ヶ谷」に、「EKiST鎌倉」は改装を経て「CIAL鎌倉」となりました。2012年11月にはCIAL鶴見、2014年7月にはCIAL桜木町が開業しています。2018年9月にはCIAL菊名も開業しました。

横浜駅西口では、長年運営されてきた横浜CIALが周辺再開発事業「エキサイトよこはま22」の一環として、2011年3月27日に閉館しました。その後、跡地に建設された「JR横浜タワー」内に、2020年6月18日に新たな商業施設「CIAL横浜」が開業。同日、別棟の「JR横浜鶴屋町ビル」にも「CIAL横浜 ANNEX」が開業しました。さらに、桜木町駅でも2020年6月27日に「JR桜木町ビル」低層部に「CIAL桜木町 ANNEX」が開業するなど、近年まで施設の拡充が図られていました。

当社は、店舗や事務所の管理・運営、不動産賃貸、物品販売、広告代理、各種チケットの販売委託、飲食・娯楽施設の経営、駐車場の管理・運営などを主な業務内容としていました。運営施設には「CIAL」ブランド（鶴見、東神奈川、鎌倉、保土ヶ谷、菊名、桜木町、横浜）や、かつて承継した「EKiST」「プチール」などがありました。

関連会社としては、横浜駅ビル建物株式会社と横浜駅ビル商事株式会社が存在しましたが、これらは2014年4月1日に横浜駅ビル建物株式会社が横浜駅ビル商事株式会社を吸収合併した後に、親会社である当社本体に吸収されるなどして整理されました。

最終的に、JR東日本グループの事業再編の一環として、株式会社横浜ステーシヨンビルは2024年4月1日をもって、湘南ステーションビル株式会社（同日付で株式会社JR横浜湘南シティクリエイトに商号変更）に吸収合併され、その約63年の歴史に幕を閉じました。かつての本社は横浜市中区にありましたが、設立当初は横浜駅西口駅ビル内に所在していました。

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