横浜三塔

横浜三塔とは

横浜三塔とは、神奈川県横浜市中区の関内地区にそびえ立つ、特徴的な塔を持つ3つの歴史的建造物の愛称です。

具体的には、以下の3つの建物を指します。

キングの塔: 神奈川県庁本庁舎
クイーンの塔: 横浜税関本関庁舎
ジャックの塔: 横浜市開港記念会館

これらの塔は、長年横浜港のシンボルとして市民に親しまれてきました。

歴史的背景

三塔は、大正から昭和初期にかけて建設されました。当時は周辺に高層建築が少なかったため、これらの塔は非常に目立ち、横浜港に入港する船の目印としても機能していました。特にキングの塔には、横浜港の守り神である伊勢山皇大神宮の分霊が祀られていたという歴史もあります。

三塔の愛称は、入港する外国人船員たちがトランプの絵札に見立てて名付けたという説が有力です。これらの名前は、みなとみらい地区の都市計画にも取り入れられ、「ジャックモール」「クイーン軸」「キング軸」といった名称として現在も使われています。

三塔を巡る都市伝説

現在、三塔を同時に見ることができる3つのスポット（神奈川県庁の正面、横浜赤レンガ倉庫、大さん橋国際客船ターミナル）をすべて回ると願いが叶うという都市伝説が広がっており、「横浜三塔物語」と呼ばれています。

この都市伝説の人気を受けて、横浜観光コンベンション・ビューローは、毎年3月10日を「横浜三塔の日」と定め、様々なイベントを開催しています。

三塔を同時に見られるスポットは、いずれもみなとみらい線日本大通り駅から徒歩10分以内の場所に位置しており、アクセスも容易です。また、三塔の建物自体も半径100mの範囲内に近接しているため、効率よく巡ることができます。

横浜四塔について

横浜三塔に加えて、旧横浜正金銀行本店本館（現在の神奈川県立歴史博物館旧館）を「エースのドーム」と呼び、これを含めて「横浜四塔」と呼ぶことがあります。

この「エース」という呼び名は、他の三塔よりも古く、威厳があること、そしてドームの形がトランプのエースに似ていることに由来します。この説は、建築史学者の吉田鋼市氏によって提唱されました。

各塔の詳細

以下に、三塔それぞれの詳細情報をまとめました。

キングの塔（神奈川県庁本庁舎）
所在地: 横浜市中区日本大通1
塔の高さ: 約49m
完成: 1928年（昭和3年）

クイーンの塔（横浜税関本関庁舎）
所在地: 横浜市中区海岸通1-1
塔の高さ: 約51m
完成: 1934年（昭和9年）

ジャックの塔（横浜市開港記念会館）
所在地: 横浜市中区本町1-6
塔の高さ: 約36m
完成: 1917年（大正6年）

これらの塔は、それぞれ異なるデザインと歴史を持ち、横浜の美しい景観を形作る上で欠かせない存在です。

外部リンク

横浜の歴史的建造物「横浜三塔」を巡るキャンペーン（ヨコハマ経済新聞、2006-11-02）

関連項目

江戸四塔
斑鳩三塔

横浜を訪れる際には、ぜひこれらの塔を巡り、その歴史と美しさに触れてみてください。

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