横浜博覧会

横浜博覧会（YES'89）

横浜博覧会、正式には「YOKOHAMA EXOTIC SHOWCASE '89（略称：YES'89）」は、1989年に神奈川県横浜市みなとみらい21地区で開催されました。この博覧会は横浜市制100周年と横浜港開港130周年の記念行事として企画され、1980年代後半の地方博ブームの中で都市博覧会の模範となりました。 通称「横浜博」として知られるこのイベントは、1989年3月25日から10月1日までの191日間にわたり行われ、来場者は 1,333 万人以上に達しました。

開催の背景と目的

横浜博覧会の開催は、埋立地の大規模再開発と街の活性化を象徴するもので、神戸ポートアイランド博覧会（ポートピア'81）に触発された形で実施されました。この博覧会は「宇宙と子供たち」をテーマに掲げ、未来を感じさせる展示やイベントを多数用意しました。サブテーマには「新しいライフスタイル」と「子供の世界」が設定され、特に子供向けのアトラクションが充実していました。

特徴と見どころ

展示会場は69ヘクタールに及び、769のパビリオンが出展されました。その中で特に注目を集めたのは、手塚治虫デザインのマスコットキャラクター「ブルアちゃん」でした。彼が手掛けた最後の作品となったブルアちゃんは、会場で販売されたキャラクター商品が約20億円の売上を記録し、その人気を証明しました。

さらに、博覧会開催を告知するためのイメージソング「ヨコハマドラゴンサンバ」が制作され、CMや関連番組でも使われました。マスコットと連動した放送やイベントは地元のテレビ神奈川や横浜FMで生中継され、地域社会とのつながりを強めました。

交通とアクセス

来場に関しては、パークアンドライド方式が導入され、自家用車でのアクセスは制限されました。横浜駅周辺の交通渋滞を避けるため、大黒町、新本牧、新横浜の駐車場からシェトルバスが運行され、スムーズな移動が図られました。博覧会期間中のイベントはいつも賑わい、特に は8月の台風の影響で来場者が減少したことが影響しましたが、最終月の無料招待券配布により目標の動員数に達しました。

さまざまな乗り物

横浜博覧会では、多彩な交通手段が用意され、特に「YES'89線」と呼ばれる磁気浮上式鉄道が注目されました。これは日本初の営業運転として、最先端のリニアモーター技術を活用しており、会場内の移動を便利にしました。また、「横浜SK」という動くベンチや、オリジナルデザインのシャトルバスも利用され、来場者は特別な体験を楽しみました。会場内の動線が工夫され、観客が快適に遊び回れる環境が整えられました。

パビリオンと展示内容

主なパビリオンには、宇宙をテーマにした「YES'89宇宙館」に始まり、恐竜の映像で知られる「日石地球館」、遊戯施設の「コスモワールド・子供共和国」があり、多種多様な展示が来場者を魅了しました。横浜市の未来や文化を体験できる展示も多く、特に未来技術を体験できるIMAXシアターは子供たちに非常に好評でした。

記念商品と影響

博覧会開催中には、記念切手やイベントくじといった販促商品も発売され、多くの来場者に親しまれました。また、博覧会のフィナーレを飾るイベントでは、各種コラボレーションや地元企業との連携が活発に行われ、横浜の文化活性化にも寄与しました。

終了後の影響

博覧会終了後、大観覧車「コスモクロック21」は周辺のビル開発に伴い一時営業を終了しましたが、その後移設され再稼動しました。横浜みなと博物館など、博覧会の名残を残す施設も残り、さらに市民の憩いの場所としても利用されています。

横浜博覧会はその規模と影響力から、横浜の歴史に名を刻む重要なイベントとなりました。所々に残る博覧会の痕跡は、今なお多くの人々の記憶に新しいでしょう。

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