横浜東宝会館

横浜東宝会館の歴史と特徴

横浜東宝会館は、神奈川県横浜市中区に位置し、長い間地域の映画文化を支えてきた映画館です。本館は1956年3月27日に開館し、当時は七部興行を中心に運営されていました。場所は馬車道沿いで、横浜宝塚劇場の斜向かいに位置した4階建てのビル。最初の上映作品は美空ひばり主演の『ジャンケン娘』で、多くの観客を魅了しました。

1962年には株式会社化し、1966年には社名を千代田土地建物株式会社に変更。1981年には映画館を分割し、横浜東宝エルムとして5スクリーン体制に移行しました。この分割に伴い、東宝名画座も改称され、映画館の多様性が増しました。

しかし、1999年にはみなとみらいにワーナーマイカルみなとみらいが開館し、地域の映画市場が変化。横浜東宝会館も客足を徐々に失い、さらに建物の老朽化が進んだ結果、2001年11月29日に閉館することとなりました。最後の上映作品は宮崎駿監督の大ヒット作『千と千尋の神隠し』でした。

映画館の閉館後、2003年にはその跡地に新しい横浜東宝ビルが完成しました。現在、このビルにはリッチモンドホテル横浜馬車道が入居しており、映画の歴史は次の世代に引き継がれています。横浜市内では、2007年に開業した「TOHOシネマズららぽーと横浜」が東宝系列の映画館として運営されています。

各館の特徴

横浜東宝

1階に設けられた洋画専用のスクリーン室には、70mmの上映設備が整備されており、フラットな構造が特徴です。多種多様な洋画作品がここで上映され、映画ファンに堪能されてきました。

横浜スカラ座

4階に位置するこのスクリーンはスタジアム型の座席と大画面を有し、同館で最も広いスペースを誇ります。名作『スタートレック』シリーズや『ロボコップ』シリーズなど、様々な作品が多くの観客を楽しませてきました。

横浜東宝シネマ1・2

地下1階には、邦画専門のシネマ1と洋画専門のシネマ2という双子の映画館がありました。それぞれの映画館はすぐに2階席にアクセスでき、訪れた人々に便利さを提供していました。また、同じフロアにはそば屋や飲食店も併設されていました。

• - シネマ1の主な上映作品: 『ゴジラ』シリーズ、石坂浩二の金田一耕助シリーズ、さらには『ドラえもん』シリーズも多数上映されていました。これらの人気作は、家族連れも含む多様な観客を惹きつけました。
• - シネマ2の作品選定: 地元の映画ファンが楽しんだ名作映画が数多く上映されていました。

横浜東宝エルム

2階席を改装して作られたこの映画館は、特に急なスロープと広めのスペースが特徴でした。この劇場では『ルパン三世』や『名探偵コナン』シリーズなど、多くの人気アニメ映画が上映され、観客に愛されました。

終わりに

横浜東宝会館はその長い歴史の中で多くの名作を上映し、多くの人々にとって思い出深い場所でした。その跡地に新たに生まれた横浜東宝ビルが今なお地域の文化の一部として機能していることに感謝しつつ、横浜の映画文化が引き続き発展することを願っています。

もう一度検索