横浜若葉台団地

横浜若葉台団地の概要

横浜若葉台団地は、神奈川県住宅供給公社によって横浜市旭区に開発された、計画人口25,000人を誇る大規模なモデル団地です。現在は約12,847人（2024年8月現在）が居住しており、中層（5階建て）と高層（10～14階建て）の分譲・賃貸住宅74棟で構成されています。

団地の構成

団地は4つのブロックに分かれており、若葉台一丁目から四丁目で構成されています。東側の若葉台一丁目と二丁目、西側の若葉台四丁目は主に住宅専用地域で、分譲住宅と医療施設が配置されています。中央に位置する若葉台三丁目は、商業施設と住宅が混在するエリアで、賃貸住宅と分譲住宅（3棟）があります。

団地は丘陵地帯に建設されており、複雑な地形に合わせて塔状や板状の建物が建てられています。建設時期によって外観や色が異なり、通常の団地とは異なる景観が特徴です。一部の管理組合では、大規模修繕時に外装の色を変更しています。

開発の経緯

当初は3LDK中心で販売予定でしたが、初期販売で4LDKの人気が高かったため、計画を変更して4LDKの割合を増やしました。歩道は自転車用（赤）と歩行者用（緑）に分けられ、高低差のある地形を利用して自動車道と歩道が立体交差しています。これにより、横断歩道が少なく、歩行者の安全が確保されています。

大貫谷公園に面した4-26棟は「ヴィンテージヴィラ横浜」という高齢者専用住宅で、介護サービスが併設されています。外観も銀色で、他の棟とは異なるデザインです。団地全体の管理は、一般財団法人若葉台まちづくりセンターが行っています。

現在の状況と課題

1979年から分譲が開始されましたが、バブル崩壊後の公社の経営悪化により建設工事が中断され、現在も未完成です。また、売れ残りマンションが大幅値下げ販売されたことで、住民による訴訟も発生しました（住民側敗訴）。

建設中断や建物の老朽化、住民の高齢化が進み、団地の人口は減少傾向にあります。高齢者向け施設やコミュニティ活動が充実しており、地域ケアプラザ、ヴィンテージヴィラ、老人クラブなどが活発に活動しています。NHKの番組でも、若葉台での高齢者の生きがい探しが特集されました。

団地内には、建設用地が2カ所残っていましたが、3丁目には「イムス横浜旭リハビリテーション病院」が開設されました。2丁目の空き地には、特別養護老人ホームが建設される予定です。

団地のシンボル

団地のシンボルとして、フクロウをモチーフにしたキャラクターが使用されています。高層棟のエレベーター屋上には、丁目を表す数のフクロウが掲示されています。また、ショッピングタウンのシンボルマークは、「わかば」の文字と緑のマークです。

交通機関

団地は最寄り駅から3km以上離れているため、公共交通機関は路線バスが中心です。横浜市営バス、東急バス、神奈川中央交通、相鉄バスが運行しており、団地内の主要なバス停は若葉台中央ターミナルです。

2007年以降、バス路線の移管や廃止があり、2024年現在では東急バスと市営バスで運賃が異なる場合があります。また、深夜バスはコロナ禍で休止されたままです。近年、星槎学園の開校に伴い、急行バス系統が新設されました。

バス路線の詳細

東急田園都市線南町田グランベリーパーク駅が最寄りの駅ですが、バスの運行本数は少ないです。1981年に青葉台駅への路線が開設されたため、利用者が減少しました。また、過去には東名高速道路のバス停と連絡する路線がありましたが、1999年に廃止されました。

バス停の名称変更もあり、2013年には「若葉台南」が「消防出張所前」に、2015年には「大貫谷公園」が「星槎中学高校前」に変更されました。

2021年には205系統が延伸して若葉台に乗り入れ始め、2024年には23系統の共通定期が廃止されました。23系統は、市営バスと神奈川中央交通が220円、東急バスが230円と運賃が異なります。

過去のバス路線

過去には、町田バスセンター行きの路線や、横浜市営バスの関内行き、若葉台中央発長津田駅行きの路線などがありました。また、321系統という十日市場駅を通過する急行バスもありましたが、現在は廃止されています。

駐車場

団地には2カ所の来訪者用駐車場があり、中央駐車場は8時30分～22時、立体駐車場は24時間営業です。最初の1時間は無料で、その後は時間ごとに料金が加算されます。現在はタイムズが運営を委託されています。

買い物

団地中央にはショッピングタウンわかばがあり、火曜日が定休日（一部店舗を除く）です。ここでは朝市や夕市、納涼ビアパーティなどのイベントが開催され、広場も活用されています。また、ショッピングタウンには人工小川が流れ、湧水口には笛を吹く少年の銅像があります。この銅像は盗難に遭いましたが、後に再び設置されました。

バスターミナルとショッピングタウンを結ぶエレベーターは、2002年に設置されました。4丁目へのエレベーター設置計画は、費用負担の問題で中止となりました。

コンビニエンスストア

コンビニエンスストアは、団地設計時には想定されていませんでしたが、2011年に1丁目エリアに、2013年には商店街にセブンイレブンが開店しました。自動販売機は、1丁目、3丁目、4丁目に設置されており、一部は災害時に無料で供給できる機能付きです。

ショッピングタウン内の店舗

ショッピングタウン内では、多くの店舗が入れ替わってきました。過去には宝石店、呉服屋、ファミリーレストラン、中華料理店、蕎麦屋、薬局、靴屋、子供服店、レコード店、楽器店、書店、手芸店、寿司屋、理容店、ブティック、肉屋、ジーンズショップ、レストラン、酒屋、お茶屋、ケーキ屋、豆腐屋、カメラ屋、パン屋、惣菜店、スポーツジム、100円ショップなどがありました。現在も営業している店や、過去に営業していた店の変遷については詳細な記録があります。

過去のスーパーマーケット

1丁目には、かつて「ヨークマート」「スーパーLOVE」「スーパー食彩館いずみ」「ffマート」というスーパーマーケットがありました。2025年には「まいばすけっと」が開業予定です。

ショッピングタウン外の店舗

ショッピングタウン外には、コープかながわ、ハンバーグレストラン「ハングリータイガー」などがあります。また、周辺地域にはコンビニやレストランがあります。

スポーツ施設

団地内には、グラウンド、テニスコート、ゲートボール場、市営プール（夏季のみ営業）、オアフクラブ（屋内温水プール、スポーツジム）があります。過去にはNAS横浜若葉台（屋内温水プール、スポーツジム）がありましたが、2011年に閉鎖されました。

公共機関

団地内には、旭警察署若葉台交番、横浜市旭消防署若葉台消防出張所、若葉台地区センター、横浜若葉台郵便局、横浜銀行横浜若葉台支店、スルガ銀行横浜若葉台支店などの公共機関があります。地区センターでは、図書室や体育館、集会室などが利用できます。

医療・介護機関

団地内には複数の医療機関があり、小規模の診療所や横浜旭中央総合病院があります。また、ヴィンテージヴィラ横浜、若葉台地域ケアプラザ、特別養護老人ホームあだち老人ホーム、介護老人保健施設グリーンリーブズ赤枝、トレクォーレ横浜若葉台などの介護施設も充実しています。過去には横浜温泉チャレンジャーという温泉施設がありましたが、現在は廃止されています。

ボランティア

団地内では、高齢者の移動支援を行う「のこのこの会」、障害児支援を行う「テクテクの会」など、活発なボランティア活動が行われています。「孫子老の会」は、高齢者と子供たちの交流を促進する活動をしています。

教育施設

団地内には、小学校1校、中学校1校、幼稚園2園、保育園2園があります。過去には小学校3校、中学校2校がありましたが、2007年に統合されました。旧若葉台西小学校の敷地は星槎中学高等学校に貸与されています。

また、学童保育所や自主保育グループも存在します。

公園

団地内には多数の公園があり、桧山公園、若葉台公園、大貫谷公園などが代表的です。これらの公園は、自然を活かした緑地公園となっています。

文化

若葉台スポーツ文化村（VOSC）を中心に、様々なイベントが開催されています。若葉台スポーツ・文化クラブも設立され、地域文化の振興に貢献しています。

スポーツイベント

毎年1月にはマラソン大会、2月には駅伝大会が開催されます。10月には自治会対抗の運動会が開催されていましたが、2024年からは秋祭りに移行する関係で6月開催に変更されました。

祭事

2024年からは秋に開催される予定の祭りでは、花火大会が有名で、多くの来訪者を集めます。また、文化祭、桜祭り、こいのぼり、福祉体験・孫子老の日など、様々な地域イベントが開催されています。

町の歌と音楽

若葉台音頭は、夏祭りの盆踊りで使われ、地域住民に親しまれています。また、若葉太鼓、若葉台混声合唱団、若葉台ウインドオーケストラなどの音楽団体も活動しています。

刊行物

地域情報紙として「コミュニティー新聞みんなの若葉台」「タウンニュースわかば」「わかば通信」などが発行されています。「若葉台団地 夢の住まい、その続き」という書籍や、句集「茜空」も刊行されています。

老人クラブ

団地内には、むつき会、ゆずりは会、くぬぎ会など、複数の老人クラブが活動しており、高齢者の交流の場となっています。

通信・放送

団地内では、ケーブルテレビ（CATV）が利用でき、2013年からイッツ・コミュニケーションズが管理しています。通信環境はNTTの光ファイバーが中心ですが、一部の棟ではADSL回線が利用されています。

自治会・管理組合

団地内には10の自治会と、分譲時期ごとに結成された管理組合があります。自治会は地域イベントを主催し、管理組合は建物の維持管理を行っています。また、管理組合協議会という組織もあります。

設計会社・施工会社

団地建設に関わった設計会社や施工会社については、神奈川県住宅供給公社から若葉台住宅管理組合協議会に提出された回答書に情報が掲載されています。

周辺地域

若葉台団地の周辺には、霧が丘、上川井町、長津田町などの地域があります。霧が丘には戸建て住宅や団地があり、上川井町は農地が多い地域です。長津田町は、若葉台と隣接する部分が農地や林となっています。

周辺地域の環境

上川井町には帷子川の源流がありますが、生活排水や産業廃棄物の影響で水質が悪化しています。一方、長津田町には岩川や梅田川の源流があり、ホタルも生息しています。これらの川は、下流部で恩田川に合流します。

周辺の施設

周辺には、よこはま動物園ズーラシア、国際園芸博覧会会場（予定地）、万葉の湯、グランベリーパーク、帷子川上川井町小川アメニティ、三保市民の森、神奈川県立霧が丘高等学校、東洋英和女学院大学、横浜市営バス若葉台営業所、横浜北部斎場、横浜卸売団地などがあります。

周辺の店舗

団地外には、コープかながわ、中野商店、ベーカリーオカダ、くまのパン屋、ハングリータイガー、一品香、味の民芸、セブンイレブン、ローソンなどの店舗があります。また、宗教施設としては、身代り不動尊、長源寺、SDA亀甲山キリスト教会、City Vision Glory Church、ヴェルデグレイブ横浜墓地などがあります。

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