横湯園子

横湯園子（よこゆ そのこ）

プロフィール

横湯園子氏は、1939年10月25日生まれの日本の臨床心理学者、教育学者です。旧姓は芹沢で、静岡県で生まれました。長年にわたり、教育現場における子どもたちの心理的な問題に取り組み、その研究と実践に尽力してきました。特に、不登校やいじめといった問題に対する深い理解と、具体的な支援策の提言は、教育界に大きな影響を与えています。

学歴と職歴

日本社会事業大学社会福祉学部を卒業後、教育の現場で経験を積みました。1986年には市川市教員委員会教育センターにて専門研究員・指導主事を務め、教育現場における実践的な研究を推進しました。その後、女子美術大学助教授を経て、1994年には北海道大学教育学部教授に就任。1999年からは中央大学文学部教授として教鞭をとり、2010年に定年退職されました。

横湯氏は、教育者としての活動に加え、古典銀線七宝の教授としても知られています。多岐にわたる才能を持ち、教育と芸術の両面で才能を発揮しています。

1987年には、長年の教育研究における貢献が評価され、教育科学研究会賞を受賞しました。

研究分野と主な著書

横湯園子氏の専門分野は、臨床心理学と教育学です。特に、不登校、いじめ、ひきこもりといった、子どもたちが抱える心理的な問題に焦点を当てています。これらの問題に対する深い洞察と、実践的な解決策の提示は、教育関係者や保護者から高い評価を受けています。

主な著書には以下のようなものがあります。

『登校拒否 専門機関での援助と指導の記録』（1981年、あゆみ出版）
『登校拒否・新たなる旅立ち』（1985年、新日本出版社）
『アーベル指輪のおまじない 登校拒否児とともに生きて』（1992年、岩波書店）
『不登校・登校拒否 悩める親と子へのメッセージ』（1993年、岩波ブックレット）
『いじめ、不登校、暴力… 子どもたちの悲鳴に耳を傾けて』（1997年、岩波ブックレット）
『子どもの心の不思議 臨床という仕事から』（1997年、柏書房）
『教育臨床心理学 愛・いやし・人権そして恢復』（2002年、東京大学出版会）
『ひきこもりからの出発 あるカウンセリングの記録』（2006年、岩波書店）
『子ども理解のための十二の月の物語 教育臨床の立場から』（2008年、新科学出版社）
『魂への旅路 戦災から震災へ』（2014年、岩波書店）

これらの著書を通じて、横湯氏は子どもたちの心の声に耳を傾け、彼らが抱える困難を理解し、適切な支援を行うことの重要性を訴えています。

また、共編著として、

『不登校・登校拒否は怠け?病い? その「対応」をさぐる』（1991年、国土社）
『心の視点 カウンセリング・トレーニング』（1997年、青木書店）
『思春期・青年期サポートガイド 困った!に応え、自立を励ます』（2007年、新科学出版社）
『ピアカウンセラー養成プログラム 自分がわかり、人の話がきける生徒に』（2010年、かもがわ出版）

などがあります。これらの書籍では、教育現場における具体的な支援策や、カウンセリングの重要性が強調されています。

翻訳書としては、
* ホセ・アントニオ・タシエス著『名前をうばわれたなかまたち』（2011年、さ・え・ら書房）
があり、海外の知見も積極的に取り入れています。

その他の活動

横湯氏は、研究活動や執筆活動に加えて、講演会やシンポジウムなどにも積極的に参加し、教育現場における問題提起と解決策の提示を行っています。また、不登校やひきこもりで悩む子どもたちやその家族への支援活動にも力を注いでいます。

まとめ

横湯園子氏は、臨床心理学と教育学の専門家として、子どもたちの心の健康と成長を長年にわたり支え続けてきました。その研究と実践は、多くの教育関係者や保護者にとって貴重な指針となっています。また、古典銀線七宝の教授としても活動するなど、多才な人物としても知られています。

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