横溝正史館

横溝正史館概要

横溝正史館は、山梨県山梨市に位置する市立の博物館です。この館は、著名な推理作家である横溝正史が晩年に使用していた書斎兼執筆場所を移築し、一般に公開しています。元々この建物は、東京都世田谷区成城にあった木造の平屋で、1955年に建設されました。正史は1981年に亡くなるまで、長年にわたってここで執筆に励んでいました。

しかし、正史が亡くなった後、この建物は約25年間も使われずに放置され、老朽化が進んでいました。解体の危機に瀕した際、横溝家と関係が深い出版業界の人々や地域の関係者が協力し、建物の保存を目指して移築先を探しました。最終的に、山梨市が受け入れることとなり、2006年には横溝正史の長男である横溝亮一氏から自筆の原稿や他の関連資料とともに、この建物が寄贈され、現在の山梨市へと移されました。新しい場所は、風光明媚な笛吹川フルーツ公園の近くで、甲府盆地を一望できる美しい環境です。

正史と山梨自体には直接的な関係はありませんが、長年の間に、彼は東京から長野県上諏訪温泉に行く際において、中央本線を利用して何度か山梨市駅で途中下車し、笛吹川の風景を楽しんだというエピソードも残されています。

展示内容

館内には、執筆活動を行っていた書斎がそのまま保存されており、来館者はその雰囲気を体感することができます。ただし、一部の展示物はレプリカです。館内には、横溝正史が愛用していた品々や、自筆の原稿も多数展示されています。例えば、彼の代表作である『八つ墓村』や『犬神家の一族』、さらには『獄門島』などの自筆原稿も見ることができます。また、江戸川乱歩から贈られた自筆の書簡も掲示されており、文学ファンにはたまらないコレクションとなっています。

施設情報

横溝正史館の所在地は、山梨県山梨市江曽原1411-6です。開館日は土曜日、日曜日、祝日のみ（年末年始を除く）で、開館時間は10時から15時までとなっています。ただし、入館は14時45分までですので、訪問される際は時間に余裕を持ってお越しください。また、休館日が多いので、事前に確認することをお勧めします。

周辺情報

館の近くには万力公園や笛吹川フルーツ公園、またリラックスできるほったらかし温泉や、根津記念館などの観光スポットがあります。これらの魅力的な場所と組み合わせて訪れることで、より充実した観光体験ができることでしょう。日常の喧騒から離れ、静かな時間を過ごせる横溝正史館で、推理作家の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

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