横田稔 (海軍軍人)

横田稔の生涯

基本情報

横田稔（よこた みのる、1903年4月1日 - 1995年10月15日）は、日本の海軍軍人であり、戦後は高校教師や宣教師として活躍した人物です。彼は空母「サラトガ」や軽巡洋艦「ジュノー」を撃沈した「伊26」潜水艦の艦長であり、彼の指揮により、サラトガは3ヶ月間戦線を離脱しました。戦後、彼は「長谷川」という姓に改名し、教育と宗教活動に専念しました。

学歴と初期の経歴

横田は岡山県出身で、海軍兵学校に進学し、海兵51期として卒業しました。彼の卒業時の席次は255名中60番でした。卒業後は練習艦隊の「浅間」に配属され、艦長の米村末喜や指導官の安田義達から実務訓練を受けました。彼の同期には後の有名な軍人たちが含まれており、航海訓練の合間には関東大震災での救助活動にも従事しました。

潜水艦への就任

1924年に少尉として任官した横田は、「金剛」や「扶桑」といった艦船に乗組みながら、その後大尉に進級しました。彼は水雷学校を卒業した後、「伊56」潜水艦の航海長兼分隊長に任命され、以降潜水艦乗組みの職務に従事しました。1934年には「呂28」、その後「伊66」などの艦長を歴任し、「伊26」の艤装委員長として初代艦長に就任しました。

太平洋戦争における戦績

「伊26」は日米開戦が近づく中での哨戒任務を行い、開戦直後には米輸送船「シンシア・オルソン」を撃沈しました。次第に西海岸での通商破壊戦に従事し、特に注目されるのは「サラトガ」に対する雷撃です。彼は3000メートルの距離から魚雷を発射し、その2本が命中し、「サラトガ」を自力航行不能にしました。

11月にはガダルカナル島近海で「ジュノー」を攻撃し、間違ってこちらに命中させてしまい、これがアメリカ海軍の四大悲劇の一つとして記録されることになります。横田は戦後に「伊26」の指揮官としての業績を飾り、戦争終結後も活躍を続けました。

戦後の生活

戦後、横田は復員輸送艦「鹿島」の艦長としての義務を果たした後、神奈川県の高校で教師となりました。彼はキリスト教に入信し、人生の転機として戦争の悲惨さを深く考える機会となったといいます。教員として彼の教えは生徒たちに親しまれ、艦長と呼ばれるほどでした。

晩年の横田について詳しい情報は少なくなっていますが、彼の教えと経験は多くの人々に影響を及ぼしたことでしょう。彼の戦争体験は教育の中で語られ、生徒たちにも豊かな人生を送るための指針を提供したのです。

まとめ

横田稔は海軍軍人としての躍動的なキャリアから、高校教師としての充実した生活にシフトしました。その過程には戦争を通じて学んだ教訓が色濃く反映されています。彼の生涯は、戦争の影響が個人の人生や教育に与える深い意味を示しています。

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