横落

横落（よこおとし）

横落は、柔道の投技における横捨身技の一つで、講道館や国際[[柔道連盟]] (IJF) で正式に認められている技です。IJF略号はYOT。

概要

横落は、相手の正面から滑り込むように接近し、相手の足首の外側に自分の脚（膝）を掛けます。そして、そのまま自分の体を横に倒し、相手を投げるという技です。体を捨てて投げるのが特徴です。

浮技との違い

浮技も横に倒れ込む技ですが、横落とはいくつかの点で異なります。浮技は、正面から向き合った状態から、相手の片足の前方に自分の脚を伸ばし、体を横に開きながら後方に倒れ込みます。一方、横落は、滑り込むようにして相手の横に倒れ込みます。

YouTube KODOKANチャンネルでは、浮技は相手の前方に投げるのに対し、横落は相手の横に投げると説明しています。

横掛との違い

横掛も横に倒れ込む技ですが、横落とは体の使い方が異なります。横掛は、足払いをかけるようにして、自分自身もろとも真横に倒れ込みながら投げます。一方、横落は、滑り込むことで相手の足首に自分の膝が掛かり、臀部と伸ばした脚を支点にして、相手を真横に倒すように投げます。

横落は、技を仕掛ける側（取）が相手（受）を横に浮かすように崩し、自分の脚を受の脚の外側に掛けて支点とし、倒れ込みながら投げるという流れになります。

相手を後方に押し倒す、または引き倒すように投げると、谷落という別の技になります。

横落の名手としては、ジョージアのゲオルギ・ワザガシビリや、日本の徳野和彦が挙げられます。

変化技：球車（たまぐるま）

球車は、相手の反射を利用した変化技です。引き手の左手を相手の肩の上で引き込み、相手が自身を飛び越えようとする反射を誘発して投げます。具体的には、突然しゃがみこむと同時に、右手の甲で相手の右膝をなでおろすようにします。すると、相手はバランスを崩し、自身に覆いかぶさるように倒れてきます。

球車は、1982年の「講道館柔道の投技の名称」制定に向けて、新名称の候補に挙がりましたが、最終的には横落か手技の隅落の応用とみなされ、採用には至りませんでした。1959年の書籍『柔道十講』でも、球車は手技または横捨身技として分類されています。

右組の場合、相手の右足を引き出し、右足が出る前のタイミングで技を仕掛けます。相手と離れすぎないように、相手の足元に体を沈め、瞬間的に体を左に向け、右踵の後方に左膝をつきます。左手の引きを効かせ、相手の体を頭上に引きかぶるようにします。右手は、相手の右膝付近を軽く払い上げます。左手は、右手の払い上げとタイミングを合わせ、相手の右袖を引き下ろします。

球車の開発者である三船久蔵は、相手が左足を前方に進めて防御しようとした場合は、左膝ではなく右膝をついて投げると良いと述べています。

出典

醍醐敏郎『写真解説 講道館柔道投技』 下、本の友社、1999年7月。ISBN 4-89439-190-2。

外部リンク

横落 / Yoko-otoshi - YouTube KODOKANチャンネル
* 横落|柔道チャンネル

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