横谷彰将

横谷 彰将（よこたに あきまさ）は、1963年4月7日に兵庫県三木市宿原で生まれた元プロ野球選手です。現役時代は外野手として、横浜大洋ホエールズ（後に横浜ベイスターズ）、そして阪神タイガースでプレーしました。プロ野球引退後は、建築会社である（有）ツースリーの代表取締役を務める傍ら、横浜DeNAベイスターズのジュニアチームなどで構成されるベイスターズ・ベースボールアカデミーのコーチングスタッフとしても活動し、野球に携わり続けています。

プロ入り前

幼少期からスポーツに親しみ、三木市立三木小学校在学中はサッカーに熱中し、全国大会にも出場する実力を持っていました。三木市立三木中学校に進学する際、サッカー部か野球部かで迷った末、野球部への入部を決意。ここから本格的に野球の道を歩み始めます。

育英高校時代には、卓越した打撃センスで頭角を現し、通算打率4割という素晴らしい成績を残しました。当時、後にプロ野球で活躍する金村義明氏や村田真一氏らと共に、兵庫県下屈指の好打者として名を馳せました。

高校卒業後は、国士舘大学に進学。東都大学野球リーグの1部で通算48試合に出場し、177打数57安打、打率.322、3本塁打、23打点という好成績を記録しました。特に打撃面での評価は高く、ベストナインには2度選出されています。興味深いのは、この2度の受賞はいずれもチームが最下位に沈んだシーズンであった点です。大学4年次の1985年には、学校の不祥事によってチームが同年秋から1年間の対外試合禁止処分を受けたため、この時点でのプロ入りを断念せざるを得ませんでした。

大学卒業後は、社会人野球の名門として知られる熊谷組に入団します。ここでも主力打者として活躍し、社会人野球の二大大会である都市対抗野球大会と社会人野球日本選手権大会の両方で優秀選手に選ばれるなど、その実力を遺憾なく発揮しました。

そして1987年のプロ野球ドラフト会議において、横浜大洋ホエールズから5位指名を受け、念願のプロ入りを果たしました。

プロ入り後

プロ入り当初はなかなか一軍に定着できませんでしたが、2年目の1989年に待望の一軍初出場を飾ります。翌1990年には、この年新たにチームの指揮を執ることになった須藤豊監督に見出され、1番・センターとしてレギュラーポジションを獲得。開幕戦で4安打、続く2戦目でも3安打と、打撃が爆発し、シーズンを通して一軍の戦力として貢献しました。特に中日ドラゴンズの西本聖投手に対しては抜群の相性の良さを見せ、そのシーズンは17打数12安打と打ち込みました。最終的にこの年は規定打席には惜しくも届きませんでしたが、打率.276、出塁率.350というまずまずの成績を残し、キャリアの中で最も多くの出場機会を得たシーズンとなりました。

しかし、1991年になると、熊谷組時代の1年後輩にあたる宮里太選手に中堅手のポジションを譲る形となり、代打での起用が増えるようになりました。それでも、代打として重要な場面で起用される機会があり、1992年にはヤクルトスワローズの西村龍次投手から起死回生の代打満塁本塁打を放ち、相手チームの野村克也監督（当時）に「伏兵にやられた」と悔しがらせる印象的な一打を放っています。

1993年には球団名が横浜ベイスターズに変更されましたが、横谷選手は引き続きチームに在籍しました。1994年のオープン戦では好調を維持し、再びレギュラー獲得のチャンスを掴みましたが、シーズンに入ると成績が振るわず、若手の佐伯貴弘選手にポジションを譲ることとなりました。

1995年シーズン終了後、自由契約となり横浜を退団。翌1996年には阪神タイガースに移籍しましたが、残念ながらこの年は一軍での出場機会はなく、シーズン終了後に現役を引退しました。

記録

プロ野球での主な記録は以下の通りです。（大洋は1993年に横浜に球団名を変更）

初出場：1989年8月26日、対ヤクルトスワローズ17回戦（藤崎台県営野球場）
初安打：1989年8月31日、対中日ドラゴンズ23回戦（ナゴヤ球場）、8回表に西本聖から単打
初先発出場：1989年9月10日、対阪神タイガース21回戦（阪神甲子園球場）、6番・左翼手として先発
初打点：1990年4月15日、対ヤクルトスワローズ2回戦（横浜スタジアム）、9回裏に尾花高夫から
初本塁打：1990年6月30日、対阪神タイガース11回戦（藤崎台県営野球場）、4回裏にマット・キーオから先制ソロ

背番号

横浜大洋ホエールズ / 横浜ベイスターズ：23 （1988年 - 1989年）、4 （1990年 - 1995年）
* 阪神タイガース：4 （1996年）

引退後も建築業を営む傍ら、野球指導者として次世代の育成に携わるなど、多方面で活躍しています。

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