横須賀海軍施設

横須賀海軍施設の概要

横須賀海軍施設（よこすかかいぐんしせつ）は、神奈川県横須賀市に所在する在日アメリカ海軍の基地であり、一般的には米軍横須賀基地または単に横須賀基地と称されることが多いです。近隣住民やアメリカ軍関係者からはそれぞれベース、横須賀ベースという愛称で呼ばれています。この基地は日本国政府の公式資料では「横須賀海軍施設」として記載されています。

この基地は横須賀市の本町、稲岡町、楠ヶ浦町、泊町、大滝町に位置し、海上自衛隊の自衛艦隊司令部にも隣接しています。ここはアジア地域におけるアメリカ海軍の重要な前方展開拠点として機能しており、中国、北朝鮮、ロシア、イランといった潜在的な仮想敵国への備えとして位置づけられています。また、基地内には在日米海軍司令部や極東海軍施設部隊があります。

基地には第7艦隊に所属するいくつかの原子力航空母艦やイージス艦が母港として配備されており、特に原子力空母『ロナルド・レーガン』がその代表的な存在です。この基地はアメリカ国外での唯一の米海軍空母の母港であり、過去には『ジョージ・ワシントン』も配備されていました。空母については対日感情を考慮し、第二次世界大戦で功績を残したアメリカ海軍海兵の名は避けることが配慮されています。

歴史的背景

この基地のルーツは1865年に江戸幕府によって設立された横須賀製鉄所に遡ります。1871年には横須賀造船所として設立され、1903年以降は大日本帝国海軍により横須賀海軍工廠として利用されました。そこで海軍の各種学校や病院などが設置されました。 第二次世界大戦後の1945年に、アメリカ海軍に接収され、以降連合国による占領が終了した1952年以降も、基地はアメリカ海軍によって利用され続けています。

しかしながら、1959年には日本政府に対して第2船台を返還し、1970年には米海軍がほぼ撤退する旨の合意に至るなど、歴史の中でさまざまな変遷を経てきました。

基地の機能

この基地には、大型艦船用のドックが設けられており、艦艇の日々のメンテナンスや修理が行われています。もしこの基地が機能しなければ、ハワイやアメリカ本土の修理施設まで艦船を運ぶことが必要となり、大きな時間とコストがかかるため、極東地域における戦略的な重要性が高いとされています。

また、基地内には日本最古のドックも現役で使用されており、歴史ある建物がその役割を果たしています。このドックは日本の地震リスクを考慮し、掘削式に変更して建設されました。そして、製作に使われている石材は神奈川県や静岡県のものが用いられています。

日米の共同使用と地元との交流

横須賀海軍施設は日米地位協定に基づいて、一部地域を海上自衛隊と共同使用しています。さらに、基地内には多くの生活施設や商業施設があり、快適な生活環境が整っています。

非常に限定的なアクセスながら、地域住民との交流も進められており、年に数回のイベントにおいて基地の一部が一般公開されることもあります。特に、日米の親善を目的とした「日米親善ベース歴史ツアー」や「スプリングフェスタ」、「ネイビーフレンドシップデー」などが開催され、地域の人々と米軍関係者が触れ合う機会が増えています。アクセスには鉄道や自動車が利用可能で、主要駅からは徒歩でアクセスできる距離に位置しています。

これらの活動は、日本とアメリカの理解や友好を深める重要な手段となっています。

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