樫 (桃型駆逐艦)

樫（かし）について

樫（かし）は、大日本帝国海軍の駆逐艦の一つで、桃型駆逐艦の2番艦として知られています。さらに同名艦として松型駆逐艦も存在するため、こちらは「樫（初代）」や「樫I」と表記されることがあります。

艦歴

樫は1916年3月15日に舞鶴海軍工廠で起工され、同年12月1日に進水を果たしました。その後、翌1917年3月31日に正式に竣工します。樫はその後、第一次世界大戦の期間中である1917年から1919年にかけて、地中海での海上護衛任務に従事し、重要な役割を果たしました。また、1932年には第一次上海事変において揚子江水域の作戦にも参加しています。

1937年5月1日には艦籍から除籍され、その後満州国に譲渡され、「海威」（ハイウェイ）という名で海上警察隊に所属することになります。その後、1942年6月29日には日本海軍に無償貸与という形で編入され、再び「海威」として、日本海軍の艦艇の一つとして活動を再開しました。主に東シナ海での護衛や哨戒活動を行い、戦局に貢献しました。しかし、1944年の10月10日、沖縄での十・十空襲により水中に沈没してしまいます。

艦長

樫の艦長には、多くの指揮官が任命されており、その中には以下のような人物が含まれます。

• - 北川保橘 少佐（1917年2月5日 - 1918年1月26日）
• - 植松練磨 少佐（1918年1月26日 - 1919年12月1日）
• - 中島直熊 少佐（1919年12月1日 - 1920年8月23日）
• - 奥野晃 大尉（1920年8月23日 - 1920年10月5日）
• - 斎藤二朗 大尉（1920年10月5日 - 1920年12月1日）
• - 本田源三 少佐（1921年3月9日 - 1922年4月8日）
• - 野口幸一 少佐（1922年4月8日 - 1922年11月20日）

艦長は頻繁に交代が行われ、その間にさまざまな任務を遂行し、艦艇の運用に寄与していました。艦長以外にも艦装員長が任命されており、北川保橘氏が初代艦装員長を務めました。

まとめ

樫は、数々の歴史的な出来事に関与し、特に第一次世界大戦や上海事変といった重要な戦役での活躍が評価されています。当初は海上護衛艦として始まりましたが、その後は満州国に譲渡され、最終的には日本海軍として再び活動を行いました。沖縄での悲劇的な沈没によって幕を閉じた樫の艦歴は、今でも多くの軍事史研究の中で言及される重要なものであり、当時の艦艇の役割と背景について理解を深める手助けをしています。

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