樺太鉄道局

樺太鉄道局の歴史

樺太鉄道局は1943年4月1日に設立された日本の鉄道組織であり、樺太の内地編入に伴い、樺太庁から鉄道部門が国鉄（鉄道省）へ移管されたことによって生まれました。この機関の本部は、当時の豊原市、現在のユジノサハリンスクに設置されました。

設立の背景

樺太鉄道局の設立は、当時の内外地行政が一元化されたことによるもので、樺太内の国営鉄道は発足時に643km、自動車路線は178kmが存在していました。初代の局長には中原寿一郎が就任しました。彼は札幌地方施設部長を務めていた経験がありました。

沿革の重要な出来事

• - 1943年: 樺太庁鉄道が鉄道省に移管され、樺太鉄道局が発足。11月には運輸通信省の設立により、さらに組織が再編成されました。この年の11月16日には樺太東線の一部が開通し、鉄道の発展に寄与しました。

• - 1944年: 樺太東線のさらに続く区間が開通し、鉄道網の拡充が進みました。

• - 1945年: 戦局が激化し、同年8月にはソ連が対日参戦し、樺太に侵攻を開始。これに伴い、内地への疎開輸送が実施されましたが、8月24日には豊原市がソ連軍に占領され、疎開輸送は終了しました。

• - 1946年: 樺太鉄道局は運輸省官制の改正により廃止され、ソ連の南サハリン鉄道局に引き継がれました。

終戦時の営業状況

終戦時点での樺太鉄道局の営業状況としては、以下のような鉄道路線が存在しました：

• - 樺太東線: 大泊港駅から古屯駅までの426.5km、落合駅と栄浜駅間もありました。
• - 樺太西線: 本斗駅から久春内駅、真岡駅から浜真岡駅までの173.2km。
• - 豊真線や川上線などの他の路線も含めて、全体で鉄道網が構成されました。

戦後の動向

戦後、樺太鉄道局の局長はソ連軍に逮捕され、抑留中に死亡しました。また、鉄道職員の中には、1956年のソ連と日本の共同宣言まで抑留されていた者も多く存在しました。これらの出来事が樺太における鉄道の歴史に深い影響を与えました。

車両の種類と特徴

樺太鉄道局では、多様な車両が運行されていました。特に蒸気機関車や汽動車、客車、貨車が利用され、樺太特有の形態を持った車両たちが活躍していました。たとえば、樺太庁鉄道から引き継がれた蒸気機関車や、戦前に製造された各種の客車も含まれていました。

機関車の例

• - 樺太庁鉄道1530形: 転用後も活躍しており、さまざまな形式に改称されました。長年にわたり運行に貢献しました。

客車の例

• - 二等合造客車: 樺太では特等・並等が設定されており、独自の基準を持っていました。

樺太鉄道局は単なる交通機関ではなく、戦争の影響を受けた社会の重要な一部であり、その歴史は今もさまざまな記録として語り継がれています。

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