樺山紘一

樺山紘一のプロフィール

樺山紘一（かばやま こういち）は、1941年5月8日に東京都で生まれた日本の歴史学者です。彼の主な研究分野はフランス中世史、西洋中世史および西洋文化史です。学術界での活躍を通じて、樺山氏は東京大学文学部教授を務めた後、名誉教授としてその地位を確立しました。退官後は国立西洋美術館館長や印刷博物館館長など、文化施設の運営にも関与しています。現時点での役職は、渋沢栄一記念財団の理事長です。

学歴と経歴

樺山氏は幼少期に内務官僚の父の転任に伴い、上海や仙台に居住した経験があります。高校を都立日比谷高校で卒業後、1961年に東京大学文学部の西洋史学科に入学しました。当時は学生運動が盛んだった時代で、1965年に卒業。その後は大学院人文科学研究科で堀米庸三に師事し、1968年に修士課程を終了しました。

1969年には京都大学人文科学研究所助手としての職務を開始。その後、1976年に東京大学文学部助教授に就任し、1990年には教授に昇格しました。1998年からは文学部長を務め、2001年に東京大学を退官しました。名誉教授としての名を冠した後も、国立西洋美術館と印刷博物館の館長として、文化界での影響力を発揮しました。

社会的活動と役職

樺山氏は多くの社会的役職を持つ学術活動家でもあります。2020年には渋沢栄一記念財団の理事長に就任し、2022年には学士会理事長を務めています。また、印刷博物館の顧問としても活躍。日本学術会議の第一部会会員や、国立大学法人東京外国語大学経営協議会委員、国際歴史学会議の副会長なども歴任しています。

受賞歴

彼の研究は多方面で評価され、受賞歴も豊富です。1989年には『情報の文化史』が第5回電気通信普及財団賞（テレコム社会科学賞）を受賞。2005年には紫綬褒章を授与され、さらに2015年には『歴史の歴史』が第69回毎日出版文化賞を受賞しました。最近の2024年には、瑞宝中綬章を受賞する栄誉に浴しました。

研究業績

樺山氏の専門は中世の西洋史と文化史であり、彼の研究成果は多岐にわたります。大学助教授時代には、NHK教育テレビの『人間大学』やテレビ朝日の『やじうまワイド』など、テレビ番組にも出演し広く知られる存在となりました。放送大学では特別講義を通じて、哲学者としても活躍しています。

家族

樺山氏の家族についても興味深い点があります。父は内務官僚として活動し、警察庁警備局長や皇宮警察本部長を歴任。母は明治書院のオーナーで、樺山氏の教育方針にも大きな影響を与えています。息子の樺山三英もSF作家として活動しています。

著書と共同著作

樺山氏は多くの著作を発表しており、単著としては歴史に関する書籍を執筆。また、共著や編著としても数多くの著書があり、著名な学者と共同で作品を作り上げています。これらの著作は彼の学問的探求と洞察を反映したものであり、読者に深い知識を提供しています。

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