樽見鉄道ハイモ180-100形気動車

樽見鉄道ハイモ180-100形気動車とハイモ180-200形

樽見鉄道の気動車であるハイモ180-100形とハイモ180-200形は、地方の交通を支える重要な役割を果たしてきました。この二つの車両は、樽見鉄道の設立に際して導入されたもので、共通の基盤を持ちながらも、内装や運用において様々な違いがあります。以下では、それぞれの車両の特徴や歴史的背景、現在の状況などを詳しく解説します。

概要

1984年10月に開業された樽見鉄道は、国鉄樽見線を第三セクターに転換したもので、当初は経済性を重視した気動車の導入が求められました。この要件に応える形で、富士重工業が開発したLE-Car IIが採用され、ハイモ180-100形とハイモ180-200形が製造されました。

形式名の「ハイモ」は「ハイスピードモーターカー」の略で、数字の180は馬力を示しています。初期には両形車両が鉄道友の会よりローレル賞を受賞し、その性能が認められることになります。

車両仕様

車体の特徴

両車両は、観光バス型の軽量な構造を特徴としており、これにより運転効率が高まっています。ハイモ180-100形はセミクロスシートを採用し、ロングシートは出入台付近にのみ配置されています。一方、ハイモ180-200形は全席ロングシートとなっており、利用者のニーズに応じて使い分けがされていました。

車体は12,000 mmの長さと2,440 mmの幅があり、側窓は横引き式。前面には大型の一枚曲面ガラスが使用され、デザイン性にも優れています。外装はブルーを基調に、樽見鉄道の頭文字である「T」をあしらった赤と白のストライプが印象的です。

機器類

ハイモ180-100形には日産ディーゼル製のPE6Hエンジンが搭載され、出力は132 kWにも上ります。このエンジンはレールバス専用に開発された液体変速機を介して、台車に動力を伝えます。台車は1軸ボギーで、安定性と快適性が追求されています。なお、両形車両にはエンジンの排熱を利用した暖房装置とともに、冷房装置も装備されています。

運用歴

樽見鉄道開業に先立つ1984年8月名古屋駅で引渡式が行われ、その後オープン前に性能試験が実施されました。1985年には総括制御への改造が行われ、運用の幅が広がります。しかし、経済的な理由からハイモ230-300形といった大型の車両に徐々に置き換えられることとなります。

過去には、ハイモ180-101が1993年に廃車され有田鉄道に譲渡されるなど、ハイモ180-200形も1999年と2006年にそれぞれ廃車となり、現在は静態保存された車両があるのみです。特に、ハイモ180-202は本巣市にて保存されており、地域の鉄道文化を伝えています。

一方で、過去に廃車となったハイモ180-101は、動態保存の形で地域に再登場しています。

結論

樽見鉄道のハイモ180-100形とハイモ180-200形は、ただの交通機関以上の役割を果たし、多くの人々に利用されてきました。経済性を重視した設計と独自のデザインは地元文化の一部となっており、今もなおその歴史を語る存在として残っています。

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