橋本朝秀

橋本朝秀（はしもと ちょうしゅう）について

橋本朝秀は、1899年8月26日に福島県安達郡二本松町（現在の二本松市）に生まれた日本の著名な彫刻家です。本名は秀次として知られています。彼は主に木彫を手がけ、特に仏教彫刻に関する深い知識と技術で知られていました。彼の作品は、伝統的な技法を生かしつつ新たな価値を見出すことで、当時の木彫界において重要な位置を占めました。

人物像

戦後、山崎朝雲の弟子として修行を重ねた橋本は、誠実さと円満な人柄で多くの友人から尊敬を集めました。彼の作品への情熱と献身的な努力は、彼の藝術的成長を支える基盤となり、彫刻の道を進む上で大きな影響を与えました。

学びとキャリア

1919年に上京し、山崎朝雲のもとで木彫を学びました。1928年までの約9年間、彼はその技術を磨きました。また、本郷絵画研究所でもデッサンを学びました。彼の初の入選は、1925年に出品した「幻想」で、これは第6回帝展（現日展）での出来事でした。その後、1929年までに5回連続で入選を果たすなど、彼は若き彫刻家としての地位を確立しました。さらに、1930年には第11回帝展での作品「法悦」が特選を獲得し、1931年には「悉地」が2年連続で特選を受賞し、その結果、無鑑査の地位を得て以降も出品を続けることになりました。

海外の影響

橋本は、日本国内だけでなく海外でも活動を行いました。1929年には仏教美術の研究のためにインドに6カ月間滞在し、また1941年には蒙疆大同石仏の研究のため中国を訪れました。帰国の際には満州や朝鮮を経由し、朝鮮における仏像研究も行っています。これらの経験は、彼の作品に多大な影響を与えたと言われています。

審査員としての活動

1943年には第6回新文展（現日展）で審査員に推挙され、その後も1949年から1953年までの間に、数回にわたり日展の審査員を勤めました。官展以外でも、日本美術協会や東邦彫塑院、日本彫塑家倶楽部に参加し、1956年には日本彫塑家倶楽部の副委員長に就任するなど、彫刻界における重要な役割を担いました。

受賞歴

1954年には、第10回日展に出品した作品「華厳」が昭和29年度の日本芸術院賞を受賞し、彼の彫刻家としての地位をさらに確固たるものにしました。

最後の日々

橋本朝秀は、1960年1月31日に東京都文京区の東京医科歯科大学付属病院で亡くなりました。彼の作品と業績は、今日でも多くの人々に影響を与え続けています。彼の彫刻は、伝統的な技術と深い思想を反映し、日本の芸術における貴重な遺産となっています。

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