山崎朝雲

山崎朝雲: 日本の彫刻家

山崎朝雲（やまざき ちょううん）は、1867年3月22日に福岡県博多で生まれた著名な彫刻家です。本名は春吉で、別号を羯摩としています。彼は長い芸術人生を通じて多くの作品を残し、特に「大葉子」という代表作で知られています。また、彼の弟子たちも多くおり、佐藤玄々、橋本朝秀、上田直次、入江爲義など、各界で活躍している者たちがいます。さらに、彼の長男である山崎坤象も洋画家として活躍しています。

経歴の一端

朝雲は1884年、当時の著名な仏師である高田又四郎に師事し、彫刻の道を歩み始めました。彼の才能はすぐに認められ、1894年には第4回内国勧業博覧会に出品し、宮内省に作品が買上げられるという名誉を得ました。翌年には上京し、高村光雲に師事し、さらなる技術を磨きました。

1900年には、日本美術協会の幹事を務めるようになり、彼の作品や影響力が広がっていきました。1902年には亀山上皇の銅像の木型を完成させ、銅像が完成した後は正力松太郎によりよみうりランドに預けられました。この銅像は現在、福岡の筥崎宮に安置されています。

朝雲は1907年に同門の彫刻家たち、平櫛田中や米原雲海らとともに日本彫刻会を結成し、彫刻界の発展に尽力しました。彼は技術だけでなく、彫刻の新たな表現方法を模索し続けました。1927年には帝国美術院の会員となり、1934年には帝室技芸員に任じられました。また、1937年には帝国芸術院の会員となるなど、日本の美術界において重要な地位を築き上げました。

晩年と業績

1952年には文化功労者に認定され、彼の芸術的貢献が評価されました。山崎朝雲の技術と感性は、木彫による写実的表現の新たな面を開くことに寄与し、後の彫刻家たちに多大な影響を与えました。彼の作品は、日本の伝統的な要素と現代的な解釈が融合したものであり、見る者に深い感銘を与えるものとなっています。

参考文献

彼の作品や業績については、多くの文献が存在しています。特に『山崎朝雲』(美術日報社 1939)や、福岡市美術館発行の『山崎朝雲資料集』などが知られています。また、田中一幸と中牟田佳彰の共著による『福岡市東公園 日蓮上人銅像 制作工程と歴史資料』も、朝雲の作品に関連する重要な資料の一つです。これらの文献を通じて、彼の彫刻技術とその背後にある思想を深く理解することができます。

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