機関出力

機関出力とは

機関出力（きかんしゅつりょく）とは、エンジンが生成する仕事率であり、一般にはキロワットや馬力といった単位で表現されます。特に内部燃焼エンジンの文脈では、通常、「定格出力」と呼ばれる値が用いられます。定格出力とは、ISO 1585などの規定に基づき、エンジンが長期間にわたって維持できる出力を指します。

出力の定義と計算

機関出力は、トルクとクランクシャフトの角速度の積として定義されます。これは以下の数式で表されます。

$$ P = M imes ω $$

ここで、

• - $P$ は仕事率（ワット W）
• - $M$ はトルク（ニュートンメートル N·m）
• - $ω$ は角速度（毎秒の回転数）

また、角速度はクランクシャフトの速さを用いて次のように計算できます。

$$ ω = 2πn $$

このため、機関出力は他の式でも表現でき、クランクシャフトの速さを通常の毎分（min−1）基準にした際の計算方法は次の通りです。

$$ P = M imes 2π imes rac{n}{60} $$

使用する単位系

機関出力はさまざまな単位系で計算可能です。以下はその例です。
1. 国際単位系 (SI)
- $$ P = rac{M imes n}{9550} $$
- 単位はワット (W) およびトルク単位はニュートンメートル (N·m)

2. 工学単位系 (MKS)
- $$ P = rac{M imes n}{716} $$
- 単位は仏馬力 (PS)、トルク単位はキロポンドメートル (kp·m)

3. 帝国/米国慣用単位
- $$ P = rac{M imes n}{5252} $$
- 単位は英馬力 (hp)、トルク単位はフィート重量ポンド (lbf·ft)

エンジン出力の例

ディーゼルエンジンの例でいうと、あるエンジンが定格回転数4200 min−1において234 N·mのトルクを発生する場合、以下のように計算できます。

まず、クランクシャフトの回転数を毎秒に換算すると、
$$ n = 4200 ext{ min}^{-1} = 70 ext{ s}^{-1} $$

次に、先ほどの出力計算式にあてはめると、
$$ P = 234 ext{ N·m} imes 2π imes 70 ext{ s}^{-1} ≈ 102.91 ext{ kW} $$

または、数値方程式を用いると、
$$ P = rac{234 imes 4200}{9550} ≈ 102.91 $$

このように、機関出力は103 kWという結果になります。

参考文献

機関出力に関する詳細な情報は、以下の文献を参照すると良いでしょう。これにより、エンジンの性能評価や設計において重要な知識を得られます。

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