檀州

檀州（だんしゅう）

檀州は、かつて中国に存在した州であり、隋代から明初にかけて、現在の北京市密雲区一帯に位置していました。

歴史

魏晋南北朝時代

檀州の前身は、北魏によって468年（皇興2年）に設置された安州です。当時の安州は、密雲郡・広陽郡・安楽郡の3郡と8県を管轄していました。

539年（元象2年）には、東魏によって安州の州治が白檀県に移されました。

その後、北周の時代に、安州は玄州と改称されました。

隋代

583年（開皇3年）、隋が郡制を廃止した際、玄州に属していた安楽郡は廃止されました。586年（開皇6年）には、玄州の州治が無終県に移転しています。そして、598年（開皇18年）に、移転前の旧玄州の地が檀州と改められました。607年（大業3年）に州が廃止されて郡が置かれると、檀州は安楽郡と改称され、下部に2県を管轄しました。

唐代

618年（武徳元年）、唐によって安楽郡は再び檀州と改められました。742年（天宝元年）には、檀州は密雲郡と改称されましたが、758年（乾元元年）には、密雲郡は檀州の名称に戻されました。当時の檀州は河北道に属し、密雲・燕楽の2県を管轄していました。

936年（天福元年）、後晋の建国時に、檀州は燕雲十六州の一つとして契丹に割譲されるという歴史的な出来事がありました。

宋代

遼の時代には、檀州は南京析津府に属し、密雲・行唐の2県を管轄していました。

1122年（宣和4年）には、金によって檀州は北宋に返還されました。当時の檀州は燕山府路に属し、密雲・行唐の2県を管轄していました。しかし、1125年（宣和7年）には、檀州は再び金に占領されることとなりました。

金の時代には、檀州は一時的に廃止され、密雲県は順州に、行唐県は真定府にそれぞれ属しました。

元代以降

元の時代に、檀州は再び設置され、大都路に属しました。ただし、この時の檀州は属県を持っていませんでした。

1368年（洪武元年）、明によって檀州は廃止され、密雲県が置かれることとなりました。

このように、檀州は時代とともにその所属や名称、管轄地域を変えながら、中国の歴史の中で重要な役割を果たしてきました。

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